闘技場編

第9話 変貌

前回までのあらすじ


 冴えない現代人、青柳優作(43)は異世界に召喚された!そして、巨大ロボットに捕獲された!その次に改造された!ファンタジー世界のはずなのに!?


 そして今のところ、登場したのが初老の主人公、マッドサイエンティスト、カラス天狗怪人、荒くれ者。


 あれ?これで大丈夫なのかな?と、作者は不安になった。


 ……はい!ここから、物語に戻ります。


 ちなみに、皆さま、本作を読んでいただき感謝でございます。



――再びどこか分からない部屋


「セーブするの忘れましたぁ!」


 ガバッ!


 あ〜〜、変な寝言で飛び起きてしまいました。


 セーブポイントでセーブするのを忘れ、ボス戦で全滅してしまいガックシの夢のせいです。いわゆるゲームあるある。


 近年、オートセーブが増えて主流になっていますからセーブのし忘れも、過去のあるあるになるのかもしれませんね……。


 夢……と、いうことは、私、いつの間にか寝てしまっていたのですね。あっ、ここ、ベッドじゃないですね、この床固い……。


 床が固いとなると当然……、ヘルニアが発動している予感!


 ……あれぇ、腰……、痛くない!?


 えっ!まさか!本当にヘルニアが治っている!?


 ちなみに今、寝転んでいる固い床には、うっすい、まるでせんべい布団の様な物しか敷かれておりません。それなのに腰が痛くない!やったー!


 おっと、喜んでいる場合ではありません。


 現状を確認しなければ……!


 改造を受けた部屋とも運ばれたときの檻の中とも違う部屋です。


 そして、これ見よがしに大きな鏡がおいてあります。


「……マ」


 鏡に映った姿は、人間の姿でした。コカトリスの鶏冠も付いておりません。ですが……、


「マッチョになっているっ!!?」


 私、生まれてから今まで、身体を鍛えたこともありませんし、運動もほとんどしない、のんびり生活を送ってきました。


 それなのに……、


 ペラ(シャツをめくる音)


 なんと!私の腹筋が、シックスパックに割れています!!


「あぁ……あぁ、こんな筋肉……私に使いこなせるわけがありません!」


 私は顔を手で押さえました。剛力無双牛というモンスターの筋肉を移植されたときに、私の身体はどうなるのか心配でしたが、こんなマッチョな身体、私、どうしていいか分かりません。


 ちなみに私の頭部は元のまま、元気なのに、

「青柳さん、今日も疲れた顔しているねぇ」

と、よく言われていた、そんな冴えない43歳の顔がそのまま付いています。うん、アンバランス!


 あぁ、そして……あぁ、無性に、飲みたい……、


「牛乳が飲みたいッ!」






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