第12話

「それで、本格的にヤバげなんですけども」

 場所を移し、離れの一階で致と辻村は話を再開する。

「何者かが俺たちの命を狙っていると捉えていいんだろうな。指定された時間に行っていたら、よくて濡れ衣、最悪ゲームオーバーだったのか……」

「っすよねえ。ここまで来ると、単独行動は避けないとですなあ」

 辻村の言葉に致は分かりやすく顔を歪めた。

「いや、そこまで嫌そうな顔をしなくても。さすがの辻村さんも、傷つきますぜ?」

「どうだかな。とりあえず夜以外はそうしてもいい。お前は今日から下で一人で寝れ」

「えぇー、アタシの心配しないんすか!? 一人にしたらヤバいって言ったばかりですけど!?」

「お前は自衛能力があるだろう。その辺の一般男性より強いクセに、なに可愛い子ぶってんだ」

 致の素直な評価に、辻村は満更でもないらしい。変に口先を曲げて話を続ける。

「ま、そこはどうでもいいっすけど……午後どうします」

「掛け軸について知りたい」

「え、でも」

「確かに一つは失われたが……もう一つまだ見つかるはずだ。それに、ここまできな臭くなる理由が未だに分からない」

「あ、言われてみれば。アタシら、この集落の事情なんにも知りませんなあ」

「味方を探す必要もあるだろうしな。怪しいが……九十九の人から書籍を借りてみるか」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る