第9話 昼休み
一応ゆるい感じではあるが、今日も丸1日しっかり授業はあるようだ。
そして、午後からの授業に関しては、男は自由参加になる。
なぜ午後の授業が自由参加になっているかというと、国が男の進学先を決めているのに、行く学校によって拘束時間が変わるのはおかしい!と昔問題になったからだ。
まあ、正論だと思う。そういった背景から、自由参加になった。
それにともない、だいたいどこの学校も、午前中になるべく男も参加出来る体育や家庭科等を寄せて時間割が決められている。
女生徒は普通に授業もあるので当然、昼休みがある。
男はこの時に帰ってもいいんだけどね。
沙耶とは今朝話してたんだが、今日は別々に昼食をとることになった。
だからって、いきなり龍宮寺さんを誘って彼女の交友関係を
沙耶も同様の理由でだね。友達作りたいだろうし。
おれ?男は男とだよ。仲良くなっておくに越したことはないからな。
女性に対して、前世の軽く一回お食事でも!とは重さが違うし、交友関係の構築は邪魔したくないからな。
そうして、一樹と佐久間君を誘って男3人で食堂へ向かう。
一樹の婚約者も学校があるので昼の準備出来ないし、佐久間君もまだいないみたいだからね。
帰るにしても、学食は利用してもいい決まりだ。
ちらほら男の姿も確認できた。まとまってるからわかりやすいな。
入学式後に集められた時に見知った顔も、だいたい男3人でテーブルを囲んでいる。
見たことない男も極少数いるけど、たぶん先輩たちかな。
少ないけど、たぶん帰ったか教室で、婚約者の手作り弁当かもしれない。
先輩であろう人たちは、女性と食べている。あっ、よく見たら指輪してる。
きょろきょろ確認したりもしていたが、しっかり注文は済ませ、3人で座れる場所を探し、俺達は空いていたテーブル席についた。
「二人は授業中どうする?」
「ん~…まだ悩み中。」
「本でも読んでるさ。」
一樹はまだ悩んでるみたいだな。佐久間くんは本か。
あ、別にサボり方の話をしてるんじゃないぞ。これは、入学式後の男が集まった際に説明されていたことだ。
なぜなら男は基本的に授業の進行スピードについていけない。桜庭高校の偏差値をなめてはいけない。俺なんて全然理解できない自信がある。
なので、男子は授業中に本を読むことを推奨されてるぐらいだ。
ゲームをする場合は、周りが気が散っちゃうのを防ぐために、相談室でやっててもいいと説明もあった。
イケオジの堺先生とやってもいいそうだぞ。相談者きたら、そっち優先で離れちゃうけど。
「達也は?」
「俺も読書かな。しばらくは授業聞いてみるけど。」
一樹に聞かれそう答える。
俺は一応授業もちゃんと聞いてみる予定だ。すぐに挫折するのは目に見えてるがな!
挫折しても一応教室に居た方が、普段教室にいない人よりは周りも声が掛けやすかろう。
それに、出来れば教室にいれる読書の方にしてねってイケオジも言ってたし。
「二人とも本かぁ、僕もそうしようかなあ。」
「
「う~ん…読みたいのは多いけど重いよね。」
そうやって悩んでる様子の一樹に佐久間君が提案した。
「桜さんに聞けばいいんじゃないか?」
「あ、いいかも!じゃあそうしようかな!」
桜さんは、一樹が第一印象で挙げていた文芸部希望の子だ。
確かに読書が好きと言っていた彼女なら、いい本を紹介してくれるだろう。
ジャンルはホラーしか読みませんとか偏りがないことを祈る。
まあ、一緒の本を読んだら今後の会話のネタにもなるし、一石二鳥だな。
それから、沙耶と一緒じゃなかった理由等を説明し、これから1週間ぐらいは俺らも親睦を深めるか。といった感じに落ち着いて今日は解散した。
昼休みを終える予鈴のチャイムが鳴り、急ぎ教室に戻る。
自由参加だし、別に居てもいいよねって感じで教室に入ると
「えっ」
「あれ?」
「ドジっ子…?」
と、小さなざわめきが起きた。
「えっ、なにその反応!?あれ、俺って居てもいい?…んだよね?」
「ぜひぜひ!」
「もちろん!」
「どうぞどうぞ!」
「天使…?」
様々な方向から、歓迎された。
あと、天使とか言ったやつ、さっきドジっ子って言ったのも聞こえてるからな。
てか、佐久間君の第一印象良かった子か!俺の中でアホの子決定な!
その後、授業にきた先生にも驚かれたりした。
うん。反応でわかった。午後の授業出てる男いないなこれ。
ちなみに、午後の授業は全然ゆるくなかった。初日で挫折するとは思わなかったよ。本持ってきまーす。
そうして迎えた放課後。
部活の体験に行くためか教室を足早に去る子がいたりと少し忙しない教室内。
沙耶は実家に昨日足りなかったものを取ってくるのと夕飯の買い出ししてくるね!と口早に告げ、帰っていった。
しきりに両目をしぱしぱしながら、龍宮寺さんの方を何度も見てたから意図はわかったが、あれもしかしてウィンクしてたつもりだったのかな?帰ったら聞くか。いや、ウィンクしてみてって言うか。
せっかく沙耶が気を遣ってくれたんだ。
「龍宮寺さん、少し話さない?」
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