第8話 席替え



朝。共に起き、身支度をして仲良く一緒に登校した。


そうそう、沙耶が朝ごはんも作ってくれて感動した。


メニューはご飯に味噌汁、目玉焼きに鮭。


海苔買い忘れちゃったって言ってたけど充分です。それに元々あると思ってた感じだったな多分だけど。



それにしても。と思う。


隣を歩く沙耶さんや、心なしかお肌がツヤツヤしてません?


たいして俺は寝不足で先程までは目をしぱしぱさせてましたが?


まあ、歩いてたら目が醒めた。若いっていいね!




そうして無事学校に到着し、教室に入ったところ一樹が気付き近寄ってきた。



「おはよう!!!」



近い近い。どうしたテンション。


一樹にしてはデカい声とともに、思わず仰け反るレベルの急接近。


一樹がこんなになるなんて珍しいな?そっちの気はないぞ?


なんせ俺は昨日沙耶と…いや、朝からやめておこう。



「お、おう。おはよう。どしたよテンション」



一樹は返事もせずドヤ顔で左手を手の甲が見えるように挙げた。


なんでそんなドヤって逆パー出した…?共学化に伴って頭が…?あっ!



「おおおおお!おめでとう!よかったな!!!!」



思わず俺まで大きい声出しちゃった。


ドヤ顔一樹の左手薬指に指輪がはまっていた。


昨日あのあとちゃんと伝えたのか、偉いな一樹!


その後、一言二言交わしたところで、朝倉先生が来て興奮冷めやらぬままHRが始まった。


みんな騒がしくしてごめんね!



そうして始まったHRだったが、すぐに思考が切り替わる。


なにせ「それじゃ~…席替えたいむで~す!」と、朝倉先生のゆるいお言葉があったからだ。


あー指定されてたし、しばらくこのままの席かと思ってたんだが、早速か。


え、なになに?席替えは一か月に一回やる?


へえーそうなんだ。と思ってる間にも、準備を完了させ、くじ引きを始めている。



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席替え完了。



うん。やってんねこれ?


俺の隣に龍宮寺さん。そして前には沙耶。


一樹の隣には、巨乳。じゃねえ、いやそうなんだけど。文芸部希望の子。


佐久間君の隣には、バスケっ子。



あれあれ~?おかしいな~?こんな偶然あるんだね~?


昨日沙耶に他の男子は誰が第一印象よかったの~とか作戦会議のことを聞かれて、ポロっと溢しはしちゃったが…。


なんとまあ偶然?俺の前の席に?なったであろう?沙耶さんや?

犯人----------あなたですよね?


自分の机に手をかけ、全力で前に身を乗り出し沙耶の顔を覗きこむ。


さすがに気付いたのか沙耶は両手を合わせて、てへっ。


かわいい。じゃねえわ!リークしやがったな!!



このくじ引き仕組まれてますよね!?とバッと朝倉先生を見たら、慌てて吹けない口笛ふいて「ふすぅふすぅ」やってますが?かわいいんだが???


誤魔化すにも他にやりようあるだろ。なんだそれ、かわいいかよ。うん、かわいいな。



それにしても、まったく気にした様子のない一樹と佐久間は大物だ。


まさか偶然だとでも思ってるのか?さすがに不自然じゃないか?


俺らの昨日話したばっかりの会議情報…。


俺らの第一印象の子が、全員揃ってお隣さんなんだぞ?


疑う心がないのかな…?正直お互いWIN-WINだからいいのか…?


言っちゃったこと謝んないでもいいのかな俺。


--------------もういいや、おれも気付かんふりはもう無理だけど気にしてない風に装うか。




そうして、釈然しゃくぜんとしないまま新しい席にて始まる授業。


いくら日本一の進学校といえども、今日はゆるい感じだ。


いきなり教科書と向かい合うような授業じゃなく、面白おかしくこの授業ではこういうことやっていきますよーと説明される。


さすがはエリート教師とでも言うべきか。平場ざつだんも得意とは。




そして4限目には家庭科の授業の説明があった。


いろいろと説明していたあるとき、例えば…カレーライスも作りますね!って先生が言ったときに、隣からぐぅ~って音が鳴った。



その音についつい隣を見ちゃったら、お腹を押さえた龍宮寺さん。


恥ずかしそうにぷるぷるしてる。顔も心なしか赤いぞ?耳に関しては真っ赤だぞ?


でも、わかる。わかるよ。わかってあげられる。これ終わったら昼休みだもんな。

こんな時間にごはんの話は卑怯だよな。うんうん。


それにしても、そういうところだぞ龍宮寺さん。かわいいかよ。


授業中だけど、このあと食事でもどうだい?って言いそうになったわ。





もう気付いてないふりしてあげるのは間に合わない…か。とりあえずウィンクしとこ。





赤い顔にちょっと睨まれた。




「ごめんねハニー。」



うなずいた。



うん。チョロかわいい。




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