新駄文日記

第34話 10月10日・何の日？

　10月に入り米国の政府閉鎖が始まったが市場の反応は想定内という印象だった。

俺はささやかながら投資をやっている。このところよく分からない理由で運用成績が上がっており、ネガティブ材料があるとすぐ暴落するのではないかと疑心暗鬼になっていた。

　YouTube動画で、政府閉鎖すると米国債が買われるという話を聞き、ナニ言うてんねんと思ったがホンマやと驚くことになった。確かに第一次トランプ政権のときもそうだったのだ。そして債権が買われると金利が下がる。金利が下がれば株価が上がる。（もちろんタイムラグはある）

　現在と2018年の違いといえば、当時株価が大幅下落してから反発したことだろうか。俺は投資をやっておらず、個人的にトラブルを抱えていたのでうろ覚えだ。

　日米の金利差は依然と大きい。ただ日銀が金融正常化に舵を切ったとはまだ断言出来ない。新たに自民党総裁となった高市早苗氏は、アベノミクスを継承し金融緩和を進めるのでは？という憶測がある。積極財政派であり政府支出が増える。おまけに減税するそうだ。まだ総理になっておらずどんな政策をするか不明である。

　日経平均株価は上昇した。石破総理の辞任表明から上がっていたが急カーブを描いた。ご祝儀相場というやつだろうか？

　社畜時代の401KからiDeCoに変わってもほそぼそと（毎月2000円ぐらい）日経平均インデックスを買っている。アベノミクス前は赤字の年が多かったからここまで来たかと感慨深い。

　ぶっちゃけいえば高市総理となっても巷の期待通りになるとは思えない。現時点の政策金利は0.5％でインフレ率は3％近く。金利引き下げ余地ねえだろというのが正直な感想である。

　投資の含み益は増加しているが、給与所得がないニートにとってインフレは敵だ。買い物と言えば専ら食品になるが値上げはエグい。前年同月比で7％を超えているし、今月の食品値上げは3000品目にもなるそうだ。

　実質賃金は8ヶ月連続で下がってるらしいから、値上げ要因は、人件費よりも原材料やエネルギー価格の高騰によると思われる。さらにいえば原油価格は下がってるはずだから円安による影響が大きいのではないだろうか。

　どうすんのこれ？生鮮食品は天候による影響も大きいし致し方ない面はあるのだが、コアCPIはそもそも食品を含んでない指数だ。日銀がインフレを放置するとは思えない。政府がどんな政策を目論んでるか知らんがアベノミクス無理だろ。

　トラスショックに比べればマシという声もある。イギリスで債券安、通貨安、株価安のトリプル安になったことがある。きっかけはインフレの最中財源がないのに大型減税して国債が売られたからだ。

　日本は自国通貨建てで債券を発行するから、民間金融機関が引き受けて日銀が買い取れば、いくらでもお金が刷れるんだという理屈である。日銀保有の国債の満期が来たら借り換えすればいい。返すため税金使わなくてすむってことらしい。

　「国債の市中消化の原則」高校生のとき現代社会で習ったかもしれない。財政法で中央銀行が直接国債（地方債）の引き受け手になっちゃ駄目って法律。

　アベノミクス以前、日銀の国債保有率は11％ぐらいだった。今では50％を超える。民間銀行はつい先日までゼロ金利だから国債持ってても仕様がない。日銀に円もらって他で稼ぐしかない。民間企業が、借りてやるから融資しろやっていってくれれば、しゃあないのって低金利で貸すはずだった。

　金は天下の回り物。企業が低コストで資金調達して設備投資、あるいは新たな事業を展開。新商品やサービスが生まれる。みんなが買う。企業の売り上げ伸びて儲かる。従業員の給料上がる。またみんなが買う。ループ・・・とはならなかった。

　要は需要増によるインフレにはならなかったんだと思う。だから賃上げが進まず生活が苦しいのだ。おまけに少し給料が上がってもお上に差っ引かれる。アベノミクス以前の国民負担率は37.2％だったが現在は46.2％である。

　大規模金融緩和によって市中にあふれ出した金はどこ行ったんだろう？Ｒ＞Ｇの不等式にあやかろうと考え出したのは、勤め人を辞めてからだ。

　俺は仕事がら原材料価格には注目していたが、あくまで国内市場だけである。あとはせいぜい為替レートぐらい。軽口で投資していれば儲かったと話したことはあるが、市場に参加するには莫大な資金が必要なので本気で検討したことはない。レバレッジかけて（借金して）先物市場で取引する勇気はなかった。

　退職後の手続きで、401Kの資金をiDeCo口座に移すとき、ふと気が付いたのだが含み益がかなり増えていた。コロナ禍からの経済回復の影響だった。何十年かぶりに投資に興味を持ち始めた。

　そして今日「またトラ」とため息をつきたくなった。中国のレアアース輸出規制の報復とかで11月から関税100％かけソフトウェア輸出規制するんだと。米国市場は敏感に反応した。AI関連の銘柄は一気に急落した。そして当然のごとく日経平均株価もつられるだろう。

　公明党の連立離脱というショッキングなニュースも飛び込んできた。市場の反応はというと日経平均先物3000円下落・・・週明けは荒れるだろうな。高市相場に乗り遅れまいと資金注ぎ込んだ方はご愁傷様。

　実を言うとiDeCo口座の日経平均インデックスを、別のモノにスイッチングするつもりだったがタイミングを逃した。世の中何が起こるか分からないもんだ。

　斉藤代表よ何で今このタイミングで？直前に中国大使と面会していることから、ネットでは陰謀論が渦巻いているが、俺は興味ない。今月いっぱい高値を維持してもらいたかった、という個人的な願望が崩れたから問いたい。

　私事だが、週明けはパソコンのOSを入れ替えるので早めに執筆した。俺のノートPCはアップグレードする要件を満たしていないそうだ。巷にはOSを無料で配布する慈悲深い人たちがいるので、遠慮なく使わせていただく。

　捨てる神がいれば拾う神がいるのだ。無信仰かつ多神教世界に生きる小市民であってもその功徳はもたらされる。世の中捨てたもんじゃない。