第4話 入学試験②

「よっ!さっきぶりだな!」

 

 俺は少女にそう声をかけた。まさか、また遭遇するとは思わなかった。それも、ばったりオーガに出くわしているとは。偶然ってあるんだな、と俺は思った。ていうか、俺がオーガに会うわけない的なこと言ったせいでこうなった?フラグ回収しちゃった?いやいや、そんなわけない…ないよな?


「あ、あの…」

「礼なら試験が終わってから。今は逃げて。おっけー?」

「でも!」

「大丈夫、勝つさ」


 俺はとりあえず少女に逃げてと言った。お互い頑張ろうって言ったんだ。リタイアさせるわけにはいかない。ちょっとカッコつけたかもだけど、一応助けたんだしこれぐらいいいだろ。…正直ちょっと恥ずかしかったけど、決まったー!って感じがしてよかったね。

 さて、勝つと言ったからには勝たなきゃいけない。でも、まだ時間あるし、ちょっとくらい試したいことがある。そうして、俺はありったけの身体強化を全身に込める。小学校の終わりくらいから身体強化が強くなりすぎてマックスで使えなくなったんだ。けど、ここなら全力で戦える。オーガ相手に身体強化でどこまでやれるか楽しみだ。


「ガアアアァァァッッッ!!」

「―ッ!」


 うっせえ!鼓膜破れるか思ったわ!俺はイラッと来たためフルスイングで殴る。


―ゴッ!


「ゴァ!」


 鈍い音とともにオーガが苦しみながら吹っ飛ぶ。ふースッキリした。


「ガアアァァ!」


 そして、咆哮をあげながら俺に殴りかかる。しかし俺はそれを避け、上段蹴りを入れた。


「ガア!」


 顔面にクリティカルヒットでオーガの顔が歪む(物理)


「どした、どした!そんなもんか!」


 すかさず、煽る。…ってか、これ仮想領域だから本物じゃない作りもんなんだよな。ってことは今俺、仮想の敵を煽ったってこと?…恥っず!


「ガアアアァァァ!!」


 だが、仮想オーガはちゃんと乗ってきてくれた。ちょっとだけ恥ずかしさが和らいだ。

 直後、オーガが連撃を繰り出す。上段蹴り、ジャブ、ジャブ、ストレートパンチ、踵落とし。俺はすべて避けていく。武術習っといてよかった〜。実は、親に頼み込んでいろいろな武術を習っていたのだ。まぁ、今は辞めちゃったんだけどね。

 そして、俺は反撃に出た。みぞおちに拳を入れ、すかさず回し蹴り。


―ゴッ、ガンッ、ドコッ!!


 オーガはなす術なくボコボコにされる。そして最後に、

―踵落とし!


―ガーーンッ!


 ものすごい音と共にオーガの顔面が地面に叩きつけられ、それからピクリとも動がなくなった。


「勝ったのか」


 よかった〜〜〜!!あんなカッコつけて負けてたら流石に会わす顔がない。てか、これ50点だよな。ウハウハじゃん!よっしゃ〜!


「試験を終了します。」


 おお、もう終わったのか。長かったようで短かった。そんな感じがした。


―試験終了後


「あの!」

「ん?」


 振り向くと、そこにはさっき助けた少女がいた。


「ありがとうございました!あなたのおかげで合格できそうです!」

「おう!そりゃよかった」

「というか、ほんとに倒しちゃったんですね。オーガ」

「まあね、結構強かったよ。あと、うるさかった」

「あははっ、すごいですね。ほんとに」

「そうか?頑張れば倒せるようになるんじゃないか?」


 そう言うと、少女の表情が明るくなり、


「はい!頑張ります!」


 と、満面の笑みを浮かべていた。てか、名前なんなんだろ?


「名前、なんていうんだ?」

最上もがみ しずくです」

「そうか、俺は一条 律だ、改めてよろしく」

「よろしくお願いします」

「じゃあ、また入学式で」

「…はい!」


 そして、俺たちは別れた。


―合格発表日


 俺は無事合格していた。最上も受かっているといいな。っていうか、最上ってどっかで聞いたことあるな?そう思い、俺はスマホで検索する。すると、そこには


〈大手ハンター武器製作会社最上グループの御曹司の最上 雫さんが今年日本国立異能学院高校に見事合格!!〉


 と、そう書かれていた。そして、俺は飲んでいた水を噴き出した。


「ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ」


 うわ!思った以上のビッグネームじゃないか!

特に他意はないが、これからも仲良くしてもらおう。はい!そこ!サイテーとか、言わない!もう友達みたいなもんだからね!友達と仲良くするのは当然だろ?な?

 そう思いながら俺は入学準備を進めた。






 


  


 

 







 

 

 




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