VSキャシー先生……?

 キャシー先生…… どす黒いオーラも気になるが…… 格好の方が気になる!!


 あのコスチューム…… 手袋やブーツに模様として入っているラインが黄色になっているという事は『魔法少女マルカ・バツカ』に三人目の魔法少女して登場する『ミム』さんのコスチュームじゃないか!


 ミムさんは魔法少女だが確か実年齢が三十歳過ぎている未亡人で、マルコちゃんの通う塾の先生という設定だったはず。


 とても魔法少女とは思えない、大きなお友達の性癖を歪ませるくらいのムチプリキャラで、当時『ミムさん回は作画に力が入り過ぎ』という話題で盛り上がっていた記憶がある。

 ちなみに原作は『上井くん』と同じ作者で、ちょこちょこミムさんをセルフパロディでネタにしていたのだが…… そんな話は今しなくてもいいか。


 それよりも何でキャシー先生がよりによってそんな格好をしているんだ? 

 どす黒いオーラと『お前を○す』という発言からして…… もしかして佐世と同じで『神様』から力を貰ったパターンのやつか!?


「城ノ内クンのせいデワタシの人生メチャクチャデス! 城ノ内クンと不倫ナンカしなけれバ! ワタシはまだ家族ト一緒に暮らせテいたのに!!」


 えっ…… も、もしかしてあの後、不倫がバレた…… とか?


「そうデス! 妊活シてダーリンとのベイビーを授カッタまでは良かったんデス! でモ……」


 ま、まさか不倫のせいで托卵を疑われたのか? ……いや、避妊はしっかりしていたし、キャシー先生の口ぶりだとそんな感じの言い方じゃないよな?


「何を言ってルんデスか! ワタシのベイビーば正真正銘、ダーリンとの子デス! そしてマイエンジェルも無事産まれテ、ハッピーな生活をシテいたのデスが…… 大きくナッタマイエンジェルに不倫シテいた過去がバレて…… ダーリンとは離婚、マイエンジェルには絶縁サレたんデスよ!!」


 はっ? 娘さんが大きくなってからバレた? 先生とは会う時だけ軽く、パッと見た感じ業務連絡にしか見えないメッセージのやりとりしかした事ないぞ!? 何でそんな時間が経ってから……


「ソレが分からナイからビックリして…… きっと城ノ内クンがどこかでワタシとの関係を話したんデスよね!? ソレしか考えられナイデース!!」


 いや…… 多分、時期的に言うと、先生の娘さんが大きくなる頃には…… 俺は未来に存在していないはず。


「しらバックれてもムダデース! 城ノ内クンしか犯人はイナイデス、だから…… シんで下サーイ!! はぁぁぁ……」


 な、何だ!? 急に腰の辺りから棒状の…… マジカルステッキみたいな物を取り出して、キャシー先生が何かぶつぶつ言い始めた!


「マルカ…… バツカ…… ウルトラ…… イキタイカ…… アメ○カ……」


 ステッキの先にどす黒いモヤモヤっとしたものが渦みたいに集まってきた! 何だ何だ!?


「セイカイハ…… ウソダ…… ドンドコド…… ッッッ!? キャアァァァ!!」


 うわぁぁぁ!! ぶつぶつ言っていたキャシー先生が…… ボンしたぁぁぁぁーー!!


「俺達を無視するなんて…… やれやれだな」


「ふふふっ…… カイトくんを○す? 私が許すわけないでしょ?」


 サ、サラ! ニャン太郎!! 


 ……って、また美しく、そして奇妙なポーズをして立ってるよ。


「ジュモンの途中ナノに一体ナンデスか!? 今のハ…… ア、アナタは! 確かD組ノ…… 吉ヶ江サン!?」


「お久しぶりですね、キャシー先生…… 教育実習の時は図書委員としてお世話になりましたね」


 えっ? あぁぁっ!! 何で俺のクラスの教育実習生だったキャシー先生の事をサラがよく知っていたのか疑問だったが…… そうだ! 教育実習の時、期間は三週間くらいだったがキャシー先生は図書委員の仕事を手伝っていたんだった! すっかり忘れていた…… 


「なぜ吉ヶ江サンが、こんナ所に……」


「それは…… 私がカイトくんの彼女…… じゃなくて付き合う予定で、今日はデートだったからです」


「ワッツ!? よ、吉ヶ江サンが城ノ内クンと!? ヤ、ヤメておいたホウが良いデスよ? コンな浮気男……」


「ふふふっ、それはキャシー先生も一緒ですよね? カイトくんとの浮気で旦那さんとの淡泊なエッチじゃ満足出来なくなって、子供さんに手がかからなくなってからマッチングアプリに手を出し始めたじゃないですか」


 えっ…… まさか佐世と同じパターン?


「チ、チガいマスよ! 登録はしましたケド……」


「でも金髪熟女に手を出そうと思う男の人が現れなかったんですよね?」


「そ…… そうデス…… だから未遂デス!」


 じゃあやっぱり俺のせい…… ってこと?


「そして、仕方なくカイトくんとの事を思い出しながらセルフメンテナンスして、その妄想を日記につけていた、それを娘さんに見られたんです、そしてキャシー先生の家族が浮気だと勘違いして問い詰めたら、キャシー先生が過去の浮気がバレたと勘違いして…… それが真実ですよ」


「オ、オーマイガァ…… そ、そんナァ…… じゃあワタシと城ノ内クンの本当の浮気はバレてなかッタんデスか?」


 要約すると、俺との浮気を思い出しながらセルフメンテナンス、からの自爆ってことか!? 


「そもそも、そんな死ぬほど後悔するくらい大切な人がいるのに、浮気するなんて最低ですけどね」


 うぐぅっ!! サ、サラ…… 佐世の時もそうだが、遠回しに俺にも刺してきているよね? 今は本当に許されない事をしたと死ぬほど反省しているんだ……


 だが、遠回しでもサラが言いたい事をぶちまけてくれた方が…… 俺的にはありがたい。

 溜めて溜めて…… 心が折れるくらい溜め込んで、サラは爆発してしまったんだ。

 腹を刺されたりボンしたり、それでも足りないくらい…… 酷く傷付けてしまった。


 ……だからといって『好きなだけボンしてくれ!』とは言わないけど。

 だって怖いんだぞ!? 身体がバラバラになる感覚だって一瞬だがするし、サラの悲しみや痛みが頭の中に流れてきて二重に『痛い』。

 出来ればその痛みを感じたくはないが、それが…… 俺への罰だから受け入れなければならないんだ。


「うぅっ、ワカッてマスよそんナコト、でモ…… その浮気シタ過去ソノものを消しテしまえバ! ワタシはダーリンとベイビーを取り戻セルんデス! ダカラ死んデくだサイ、城ノ内クン!! はぁぁぁ……」


 ま、またキャシー先生がマジカルステッキを構えて…… ぶつぶつ言い始めたぞ!?


「マルカ…… バツカ…… サンカクカ…… ヘキサゴン…… エエヤン…… ステキヤ…… キャアァッ!!」


「やれやれ、また物騒な事をしようったって『NO』だぜ?」


 ニャン太郎がまた瞬間移動したみたいに、魔法(?)詠唱中のキャシー先生に近付いて『ボン』したぁぁっ!! 


「チョ、チョット、トムキャットチャン!! 呪文ヲ唱えテいるトキに攻撃スルのはタブーデスよ!!」


 ト、トム? ニャン太郎はニャン太郎って名前だぞ? そんなタフなボーイな名前じゃない!


「カイトくん、タフなボーイじゃなくてオス猫って意味だよ?」


 そ、そうか…… キャシー先生による暴力の真っ最中だったからてっきり……


「城ノ内クンはイングリッシュの勉強が足りないんデスよ! だからあんなにプッシュとプッ○○を勘違い…… アウチッ!!」


「ふふふっ、先生、お下品ですよ? 下品なのは格好だけにして下さい」


「コレはゴッドからイタだいた立派な戦闘服デス! バカにシたらダメデスよ!」


 いやぁ…… 馬鹿にはしてないけど、ボンするたびにブルンブルンしているから目のやり場に困るんだよ…… 

 じっくりなんて見ていたらサラに睨まれるし。


「詠唱デキないなら…… コブシで!!」


 うぉぉっ!! 魔法の力なのか、拳を突き出したポーズをしたキャシー先生が、もの凄いスピードで俺に向かって……


「ギャアッ!? オ、オゥ…… シット!!」


「ふふふっ、カイトくんに危害を加えようだなんて…… 無駄無駄ですよ?」


 サラの時間停止能力により、真っ直ぐ俺に向かって来たキャシー先生の進む方向が少し変えられたのか、俺の一メートルくらい隣を通り過ぎていった!


「ナ、ナニをシたんデスか?」


「ふふふっ……」


 サラ…… チート過ぎてラスボスみたい!


 魔法の呪文も唱えられない、肉弾戦も通用しないとなると…… キャシー先生に勝ち目は無さそうだ。


 キャシー先生は攻めあぐねているのか、サラとニャン太郎を交互に見て睨み付けているだけで動けないでいる。


 そんな緊張状態の中……


「キャ、キャシー?」


「エッ? アッ、アッ…… ダ、ダーリン!?」


 少し離れた所から誰かの声が聞こえたと思ったら…… ダーリンだって? もしかして、あれ…… キャシー先生の…… 彼氏!?

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