第2話 極寒の炭火焼き

朝目覚め、朝食をどうしようかと考えている時に、今日はかなり冷え込むことに気がついた。温度計を見てみると、気温は−50℃だった。こんな日には "アレ" が手に入るかもしれない。

そう考えた私は、蓋付きのカゴを手に取り、今日も外に足を伸ばす。すると、予想通り、そこには "極寒" がいた。


極寒は、名前の通り極寒と呼べるような寒い日にしか姿を表さない。

氷の塊のような、1部半透明で硬そうな見た目と、どう調理してもどこかは絶対に冷たいまま、という面白い性質を持っている。

寒い日であれば、家の庭先などでも普通にうろついているので捕まえるのは容易だった。


何体か捕まえてカゴに入れ、家に戻る。

部屋の中に入ると、早速キッチンで調理の準備を始める。

炭を用意し、炭に火をつける。温めた網に、軽く洗って水気を取った極寒を置いて、炭火焼きにする。せっかくなので2体ほど焼くことにした。

極寒はそのままだと硬すぎて食べられないため、温められるような調理法で少し溶かして柔らかくしなければならない。数ある極寒の調理方の中でも、私は炭火焼きが1番好きなので、少し手間はかかるが毎回炭火焼きにしている。

ある程度焼いて火が通ると、半透明の部分が増えてくるため、頃合いを見てひっくり返す。しばらく焼いていると、香ばしい匂いがしてきたので、極寒を皿に移す。1体はそのまま、もう1体には塩をかけてみる。

極寒の炭火焼きを口に入れ咀嚼すると、外はもちもち、中はシャーベットのようなシャクシャクとした食感。表面は温かいが中は冷たく、極寒独特の不思議な感覚だった。

その不思議な感覚と共に極寒特有のほんのりとした甘みと旨みが口に広がる。香ばしい香りも相まってかなり美味しい。塩をかけた方はあまじょっぱい、と言った感じになりこれも美味しい。


私は昔から極寒を食べた時の不思議な感覚が好きで良く食べていた。極寒が取れる寒い日が好きだったし、次はいつ寒い日が来るかとわくわくしたものだ。

最近は暖かい日が続いていたため、久々に童心に返れて楽しかったな、と思いながら、私は極寒を食べ終えた。


そこでふと、前にテレビ番組で見た、炭火焼き以外の調理法を思い出す。

レンジで温める方法や、フライパンで焼く方法、容器に入れて蒸し焼きにする方法や、茹でる方法、暖かい部屋に置き、自然に少し溶かす方法などが紹介されていた。

残りの極寒は炭火焼き以外で食べてみようか、どんな調理法にしようか、味付けを変えてみようか、など色々なことを考えながら、私は残りの極寒を冷凍庫へしまい込んだ。

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