第2話 ある女性の依頼/牙を剥く最愛
「それで、どのようなご依頼かな?」
俺が聞くと、シエルさんが話した。
「昨日の早朝。夫が、私を殺そうとしてきたんです」
「ん、シエルさんの旦那さんが?」
「ええ、しかも夫は1週間ほど連絡の取れていなかったのです」
「1週間か、長いね、その時点で刑視隊には相談しなかったのかい?彼らは国の立派な捜査員たちだろう?」
相棒がそうシエルさんに聞いた。刑視隊とは、この国での法律を違反したものを確保するためにある組織であり、人数もそれなりな多い。俺も、刑視隊に頼るのが正解だと思い、うなづいた。
「夫は、旅行が好きで、よく連絡もよこさず旅行へ行くタイプでしたので…」
なるほどな、それなら違和感もないかと俺は思った。
「では、失礼ですがシエルさん、お互いの夫婦仲はどうでした?なにか殺されるようなものがあった可能性は?」
俺がそう聞くと、シエルさんは首を横に振った。
「ありえません、それに、夫が私に襲いかかって来る時、不思議なことが起こったんです」
「「不思議なこと?」」
俺と相棒が同時に答えると
「はい、私に襲いかかる前、夫は涙を流しながら逃げろ!と叫んだのです、それで私は逃げ切ることが出来ました、普通、殺そうとする人間にする行動じゃないと思うんです。夫の身に何があったのか、調べて、助けてください」
シエルさんは涙ながらにそう訴えた。
「相棒」
俺は相棒のいる方に目をやった
「ああ、これは」
相棒も同じ考えのようだ。
「シエルさん、これは」
俺らは2人口を揃えて言った。
「「異世界転生者の仕業である可能性が高い」」
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