第16話 コンビニのミズキさん

コンビニの制服を着たミズキさん。

学校内の印象とかなり違う。

なぜだ?

文化部的に静かな女子ではなく、元気な活発な女子だ。ただ、ミズキさんのカラダが光って見えるのは変わらない。

「バイトは内緒ね。」

「えっ?」僕を試すように。

グールは知らんぷりでレジ横の丸チキの品定めをしている。

ミズキさんは可愛く少し舌をだして

「えへ。なーんて冗談よ。ここは、オーナーがパパ。家の手伝いをしてるの。

中学生のバイトなんておかしいでしょ。

今日は特別。ほらね。」

「ミズキちゃん、遅れてごめん。

店長にまた叱られる。」

奥から店長が出てきた。

背の高いがっちりした人だ。

「香取。店長じゃないぞ。オーナーと呼べっていつも言ってるだろう。」

「すいませんオーナー。大学の授業がおして。

ミズキちゃん、ありがとう。かわるよ。」

その大学生は、僕の方を見て

「君、タクマだっけ?

ミズキちゃんと同じ中学?

ミズキちゃんはバイトじゃないぞ。

家の手伝いだからな。ヨロシクな。」

見えない大きな壁を見た。

大学生にはかなわない。

えっ?この香取という大学生、なんで僕の名前を知ってる?

なぜだ?

僕らがレジで騒いでるのをよそ目にようやく

品物を決めたリクとシュウが来た。

気づくとミズキさんは消えていた。

グールは相変わらず丸チキを見てるだけがーーー!

食べてる。

「おいグール、どうした?まだ買ってないだろう?」

「さっき、ミズキがくれたぞ。

俺様にワイロだそうだ。」

「ワイロ?」

「ミズキは、俺様がタクマの恋路の邪魔をしてるのを知っていたぞ。」

「えっーー!」

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