第2話 不思議な波音

僕らは海の駅で降りた。目の前の

7月12日の土曜の午後の海。

海開きは、まだだ。海岸線に近所の人か?

愛犬を連れて散歩。

ほぼほぼプライベートビーチ状態だ。

僕らは「わーあ、」と叫びながら靴を脱いで

海に入った。

「冷たい。」

「つめ!」

「まだ早かったか?」

「だなあ。」

リクが「先輩達にバレないかな。」

「バレるだろうな。」ショウが即答。

僕は「たまにはいいだろう。

息抜きは必要さ。」

「君たちサボリ?」

女子が声をかけてくる。

リクが「タクマ、ショウ知り合いか?」

「いや。」僕らはハモる。

その女子は僕たちに近づいて。

「君たち城北中のバスケ部でしょう。」

「なんで分かったんだ。」

「この前の中体連、うちの学校バスケ部、負けたから覚えてたのよね。」

今はバスケのことは忘れたい。

神経質なリクが「行こうぜ。」

僕は愛想笑いで「じゃあ、そう言うことで。」

「タクマ。私のこと覚えていない?」

「? 人違いだと思うよ。」

波の音が「ザブーン」僕は即答。

ショウが「行こうぜ。タクマ。」

「うん。」

そのあと帰りに先輩たちに見つかり、みごとに僕らはしかられる。

「お前達、明日は部活前にランニング10周。」

「えっー。」自業自得だ仕方ない。

でも3人の海は楽しかった。

そしてその夜、僕は夢を見た。

『ここはどこだ?』

小さい頃に住んでいた庭。

背の高いバスケットリンク。

その下に僕と女の子がいた。

波の音が「ザブーン」記憶の中の音。

『君は誰?』




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