一章 三丁 朱塗りの太鼓橋
いざ間近で少女の姿を眺めると、
不意に後ろに現れた見知らぬ男達を、屈み込んだまま戸惑った様子で見上げていた少女は、
「早くここからお離れください! 橋を渡ってはなりません !!」
坂田は、この村の惨状の理由を尋ねようと口を開きかけたのだが、少女は突如弾かれたように橋の前に立ちはだかり、両腕を広げ精一杯坂田達へ訴えた。
「橋を渡るなだと? 橋を渡ると何だというのだ」
眉間に
上手く状況を説明出来ず言葉を選んでいるのか、少し俯き目を泳がせた少女は、やがて覚悟を決めた様子で顔を上げ、爪先立ち、薄紅色のふっくらとした唇を大きく開いた。
「邪魔立てするな、
しかし、
「よせ! 万雷 !!」
坂田は万雷を下がらせようと、腹部を押し戻す。が、万雷は少女を睨みその場から動こうとはしない。
少女に逃げられる前に、聞き出さねばならない坂田は、すぐさま会話を再開させた。
「橋を渡ったが別段変わった事はなかった。それよりも主の話を聞かせ願おう」
「御心を開いてはなりませぬ!! 私が聞き出しまする!!」
更に殺気立つ万雷は、少女へ威嚇するような鋭い眼差しを向け、尚も怪しみ警戒を解かない。
少女をこれ以上威圧しないよう、間に割り込み遮る坂田だが、自分への忠義から万雷が
坂田の奮闘
「そんな…! どうか…どうかご無事で…! 霧にお気を付けを!」
日が暮れる空を見上げて少女は早口で言い終えると、慌ただしく橋を駆け上がり坂田達の元から逃げ出してしまう。
「あ!待て!」
坂田と万雷も少女の後を追い、橋を渡る。――が、少女は何処へ行ってしまったのか。
太鼓橋を渡り切り、通りへと出た坂田達の目には、壊れた家屋や屋台が散乱する、これまでと同様の閑散とした光景のみで、少女の姿はもう何処にも見当たらなかった。
「なんと逃げ足の速い…!」
「日が沈んだ、追うな」
一行を明るく照らしていた太陽は沈み、辺りが薄暗くなると、見慣れて来た景色と静けさが、一層不気味に思えて来る。それ
「隊と落ち合い、一度思案する」
坂田は今後の行動を簡潔に伝えると、少女を追う際に待機を命じ、未だ橋向こうにいる配下達へ、同じく太鼓橋を渡り
天へと掲げられた坂田の腕を見て、六人の配下達は足早に橋を渡り、坂田の元へ集合した。そして、通りに鎮座する40mにもなる
©️2025 嵬動新九
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※この作品はフィクションです
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