13 監視者[4]
全身を襲う衝撃破。
そして、猛烈な加速度。
恐ろしい負荷を身に受けつつ、僕は黄金色の輝きを目掛け、高速で
キシキシと悲鳴を上げる関節。
体が崩れていく感覚。
そして、――全身の痛み。
それらを全て無視して、進行方向に障壁を展開。
即、それを左手で
――グシャ、と腕が悲鳴を上げるのを自覚しつつ、反動で軌道を補正。
進行方向へ
軌道変更による激しい慣性によって投げ出される
きりもみに、不連続に切り替わる視界。
その端で、【
軌道補正しつつ、高速で空中を
――ジュウッ。
と、回避しきれなかった
ごぼり、と食道に熱い液体がせり上がり、――しかし、それも無視。
大きく
しかしそれらとて、もはや超大質量となった僕の接近を防ぐものとなり得ない。
既に、眼前に迫る黄金色の巨体。
球の下辺を
僕は、持てる全ての力を乗せ、大上段に
「――ぬぁぁァァァアアッッ!!」
同時【
そのまま球の表面へ斬り込み――。
ガシャアアッ――!!
波打つ刀身が、
ビシャアッ!! と頭上に、
斬撃は、球を大きく
それらを
身を
全身を潰さんとする、恐ろしいまでの慣性を無理やり殺し、そのままグッと
衝撃波、猛加速。
そして再び、
「――ッらぁぁああああああッッッ!!!」
閃光、
体を反転、着地。
跳躍、そして三撃目――。
振り抜く。閃光。
砕け散る
それを手のひらに受けながら――。
四撃目、振り抜く。
五撃目、振り抜く。
無我夢中で、縦横無尽に宙を
*
――もう、どれだけ攻撃を重ねたか?
いつしか
「ハァ、ハァ――」
慣性で宙に体が投げ出されたまま、浅く呼吸を繰り返す。
その呼吸音のほかに、いま周囲を満たすのは、静寂のみとなった。
視界に漂う、残り1秒で止まった
そして、細かく
水平に
やがて
*
赤銅の光が優しく照らす中――。
いまや痛みさえ遠く、――すでに、全身が脈打つように、鈍く
――勝った、のか……。
そう悟りつつ、――もはや、思考する余力さえ、全くない。
疲れた。
ただ、ひどく、疲れた。
ボロボロとなった体。穴だらけとなり、傷口から
もう、この体も長くない。
不思議と風のない、
重力に任せ、僕は力なく
*
ふいに、フォン、と効果音が耳に届く。
視界に表示される画面。
――クエストの目標を達成しました。
見る間に、続けて
――レベルが、1から35に上昇しました。
――報奨金を受領しました。
――複数の【
――獲得した【
――【
――【
――【
――【
――【
――【
――………。
――他、全31件。
――詳細は、クエスト履歴を別途ご確認ください。
それらの画面を、放心したまま眺めていると――。
『……えにし様、お疲れ様でしたニャ』
背中から届く、シャルロットの声。
『
心なしか、穏やかな声音。
なんだか、ちょっと、ぐっと来てしまうものがある。
「あ、りがとう……」
『ええ。それから――』
――ふと眼前に現れる、小さな立方体。
『こちら、ただいま入手した、【
サイコロ大、無色で透き通るそれの表面には、金糸の
そして、その中に封じられている、ごく小さな
ゆるゆると
『使用』を意識すると、立方体が消え去り、内部の球体が
続いて、全身の組織が
「ありがとう、シャルロット……」
『ええ。……さて。それでは、これより、――
――そうだ、帰還。
脳内で
まだ、やることが残っている。
『――現在、クエスト目標達成後、変身状態維持の
「り、了解、……ちなみに、
『既に
「よろし、く……」
『――ええ、それでは、
その言葉と共に、
最後に残るのは、静寂と赤銅色の光、そして頭上に黒々と口を広げる、底知れぬ
そして、程なく
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