ルフバー【父3】
「「「「「ウハハハハハ」」」」」
藁網誘導路の先に作った罠網に、船で乗り付けたわしらは、笑いが止まらんかった。
デッカイ魚が、狭い罠網の中に何十匹と入ってグルグル回っとった。船の上から手づかみできそうや。
「皆の衆、ワニが横取りに来る前に、全部船に上げてまうど!」
「「「「「おー」」」」」
網を狭めながら、魚をヤスで突いては船上に放り上げる。
「よーし、撤収!」
縮めていた罠網を元通りに伸ばし直して、村へと各々の船を漕ぎ始めた。
どの船もデッカイ魚がいっぱいで、村の衆はみんな笑顔や。それもこれも家のルフバーのおかげや。
「『おかしい』とか思うて、堪忍やで」
とわしは、ルフバーに心の中で謝った。
ルフバーは、舟から降ろされた自分の背丈ほどある魚に抱きついて、クルクル回っとる。
「みー、これぜんぶたべて、ええんやね」
と涙まで流しとる。
「魚臭くなるから、抱きつくんはやめや」
と言うと、
「みー、くさいって、どういうつもり。とーちゃんデリカシーってしらんの!」
とイカ耳で低い唸り声を上げた。
いかん、これはスミカが言うとったやつや。素早くしゃがんで、
「いやいや、言い間違えや。臭くなる前に捌いた方が魚は美味しいから、早よかーちゃんに魚を渡しな、な」
「うん、かーちゃん、これさばいてー」
ルフバーが、家へと駆けていった。
はーかわいい。とりあえず家庭の危機は回避出来たみたいや。
帰りの船で村の衆の誰が言い始めたのか、ルフバーに二つ名が付けられてもうた。娘は「ダサい」と嫌がるかもしれへんが、『網の賢者』やと。
わしは『食いしんぼの賢者』の方がかわいい言うたんやけどな。
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