第13話 異能バトルは筋肉と共に

 俺はモンスターを相手にいつも通り銀髪仮面男としてゴブリンを退治する。


 ゴブリンアーチャーやゴブリンメイジにゴブリンファイターなどのゴブリンの亜種を次々と退治していく。


 ライトボールを放つ。一瞬で15個に増殖させて放たれたライトボールはゴブリンたちを焼き殺した。


 光のボールは高熱で敵を焼く。腕を怪物の手のように巨大化させて刀化して敵を切り裂く。

 ゴブリンたちを全て倒した。魔石を入手してレベルは5に上がっていた。

 だが一人の男が俺の前に姿を現す。


 その男は一瞬見ると凄くゴリラのように巨大で190センチはあろうである。しかも筋肉マッスルでガタイの良い男だ。俺が女なら惚れているだろうと思えるほどに良い男だ。


「あんたが銀色の仮面マスクドシルバーだな……俺と戦え!! 腕比べだ!!」


「俺に何の得がある?」


「あんたも強い相手と戦いたいだろ? それに得ならあるはずだシステムの声が聞こえただろ?」


「ああシステムの声……【神託】だな」


 そうである神託という名の天の声……システムの声とも言うが聞こえたのだ俺にも……ただこれが聞こえるのは異能力者しか聞こえないと思われる。


 能力を獲得した者だけに聞こえる謎の声……それが俺のところでも聞こえた。


【異能バトルシステムというシステムがこの世界に組み込まれました】


 頭の中で異能バトルシステムのことに対して検索をかける。


 すると説明が脳内で出現する。


 異能バトルシステム……異能力を持った者通しで戦うことで勝ったものは負けたものからステータスの一部を奪い取る。それとモンスターを倒したときに手に入った取得物を譲り受けることが出来る。戦闘を行うことで能力の練度が上がり能力が進化することがある。

 一定数の戦いで勝利を重ねると賞品が貰える。


 異能バトルシステムを行ってバトルをする場合死ぬような攻撃を受けてもすべて精神的ダメージに変換される。


 この神託を聞いて俺は少しだけ歓喜した。能力に目覚めるのは俺だけでは無いようだということが。

 でもこんな無法的なことが許されるのだろうか?


 だが面白いこれが一大スポーツとしてスポーツ化したら? 俺も正体を隠しつつ戦うことが出来るかもしれない。


 そしてこの神託は一般人にもある程度は伝えられている。


 噂が噂を呼び各地では異能バトルが行われているというネットでの書き込みがあった。


 俺は了承する異能バトルフィールド展開!


 銀色の仮面マスクドシルバーVS豪徳寺怪斗(ごうとくじかいと)との異能バトルを始めます。


 始まったカイトはまずは俺に対して突っ走ってきた。


 そして殴ってくる。


 俺は刀化で斬りつけるが回避される。そしてカイトは奥の手を速めに使った。


 体を巨大化させてきた。これがカイトの能力か。【巨大化】の能力で身長が4メートルぐらいになる。殆ど倍になる能力か。


 腕も丸太のように太くなっている。体がこんなにデカくなっているからこそ筋力も倍どころではない。だが図体がデカくなってしまったので的がデカくなったようにも感じる。


 俺はファイヤボールを作成して12個に増殖させて放つ。カイトは炎上した。


 そして刀化で腕を化け物にして抉るように切り裂いた。カイトは負けた。HPが0になるとシステム音声が鳴り響く。


銀色の仮面マスクドシルバーの勝利!! ステータスポイント50を獲得しました。炎魔の魔導書を獲得しました】


 とまあこんな感じだ。相手は少し頭痛がする程度で怪我も負ってない。


 ただ物凄くダメージを受けたらもっと激しい頭痛になると思うが今回は少し手加減したからな。


 炎魔の魔導書を読んでみると【火炎】の能力もとい魔法を獲得した。


 なかなかに良い獲得物だ。異能バトルシステムという奴はとんでもない代物だ。


 しかもいつの間にか観客もいた。みんなスマフォで動画を取っていたり写真を撮っている。


 観客にも異能バトルのことはすでに浸透しているようだ。


 だがある日能力に目覚めるには資格がいるのだろうか?


 能力に目覚める者が現れる。現代は異能バトルファンタジーになってしまうのか……


 世界に驚くべき変化が訪れるのはすぐ目の前だった。

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