※読み合い企画からのレビューです
頼りない兄から見せられた秘密基地の光景に、主人公・昂希は感動する
そして、共に秘密基地を作り上げていくことになるのだが──という導入から始まる本作品は、小学生の昂希の成長物語だ
頼りない兄から評価が一転し、憧れとなった兄に、昂希はすこしずつ依存していく
やがて、とある出来事から、昂希は葛藤の最中に叩き込まれてしまう
他人からすれば大したことのない、しかし小学生の昂希からすれば天地が引っ繰り返るほど大きな出来事
それを昂希の視点から見事に表現した本作品は、非常に爽やかな読後感を与えてくれる
ああ、成長したのだな、と
昂希にとって兄は、ずっと憧れの存在だ
彼らの物語の続きが描かれることはないだろうが、この二人がいつまでも仲良くいられることを願ってやまない