第15話

「今まで 何度となく

暖華と離れようとしたり…

手元におこうとしたり…


俺なりに愛する女を護る

色んな方法を考えて



でも 結局は離したく無くて

俺の暖華でいて欲しくて…


婚姻届を書いて


それを親父と宗方に預けた」


「あれって…結局どうなってるの」

「どうなってると思う?」


「教えてくれないの?」

「そのままだよ…宗方の手元にある」


「そっか…」

「悩んだよ…先週出しに行こうと思って

一度 宗方から受け取ったんだけど

結局出せなくてまた宗方の手元に戻した」


「なんでまた…」

「婚姻届持ったまま

龍夜と話してて

“出さねぇなら暖華も子供も

お前から開放してやれ

ただし 失ったモンは

どんなに大事でも戻って来ねぇ”

そう言われて…本当は出そうと思った


でも…出せなかったんだ」

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