北海道土産
帰省を終える時、そこには重大な決断が待っている。
私の旅の目的はここにあると言っても過言ではない。
いや、それはちょっと過言だった。
私の旅の目的は、実家の両親に顔を見せることだ。
しかしそれも無事に果たしたし、あと北海道でするべきことはお土産選びである。
旅路では荷物を減らしたくもあるが、魅力的なお土産が多すぎてどれもこれも買いたくなる。
このバランスをいかにとり、自分の満足できるお土産を無事に持ち帰るか。
その結果によって、この旅行の成果が決まると言える。
だいたい買うものは目星をつけている。
たまに新商品があって、それに心が揺らいだりするが、そこもきちんと吟味しなければいけない。
幸い今回は、新しい味のものが出ていたが、新しい種類の土産ものはなかったので、定番で攻めていける。
私がだいたい買っているものは、六花亭の何か、ルタオの色内通りかナイアガラか、カルビーファームの何か、たまに北菓楼の開拓おかきだったり柳月の三方六や石屋製菓の美冬を買ったりするが、行くたびに買いたくなるのはだいたいこれだ。
今名前をあげたメーカーのものは何でもおいしい。はずれがない。
だから、新商品が出ていたら必ず買ってしまう。
今回も、六花亭、ルタオ、カルビーファームで考えてみようと思う。
選択肢が少ないところからいこう。
ナイアガラは冷蔵商品なので、お土産として買うことに躊躇するのだが、これだけは今回心に決めていた。
見るたびにやり過ごすと、食べたい欲が重なっていくのだ。
今回こそは、これを買う。ただ、冷蔵なので道中で食べる必要があった。
これの扱いだけは気をつけなければならない。
あまり持ち運びたくないから、最後に買おう。
次はカルビーファーム商品だ。
私が個人的に好きなのは、定番のじゃがポックル、そしていも太とまめ次郎だ。
しかし、やはり改めてラインナップを眺めてしまうと心が揺らぐ。
ぽてコタンもたまねぎの風味がおいしいし、じゃがピリカやインカのめざめはイモの風味がよく出ていておいしい。
種類が増えて、本当に毎回お土産にどれを買うか迷ってしまう。
いっそ全部買いたいが、費用としても持ち運びとしてもカロリー摂取面としてもそういうわけにもいかない。
ここは悔いのないように吟味しなければいけない。
口を動かして、食べた時の風味を想像する。
今私が欲しているのはどれだ。
家に帰った時に、そこにあってほしいのは何だ。
そういえば、前回はどれを買っていったんだっけ。
職場のお土産にも必要だからとじゃがポックルを買い、ついでに自分の分を買った。
そうだ。じゃがポックルにしたんだ。
じゃあ、じゃがポックルはやめようか。
しかし、そう簡単に決められるほどじゃがポックルの魅力は弱くない。
結局悩みはあまり解決しない。
ここは直感が大事だ。
いも太とまめ次郎は、ここしばらく食べていない。
私は枝豆が好きで、その風味とポテトチップスが合わさるのがとても好きなのだ。
この風味が恋しくなっていた。
よし、今日はいも太とまめ次郎だ。
そう決めたら、もうそれしか考えられなくなった。
箱を一つ手に取ると、次のものを考える。
さて、六花亭のお菓子は何にしようか。
定番はマルセイバターサンド。
実はこれに最近バターケーキが出て、個人的にはそっちの方が好きだったりもする。
あと、六花亭で一番好きなのは大平原というマドレーヌだ。
きちんと箱に入って包装されているものと、袋に入ったものがあり、袋に入ったものは個数が色々あって買いやすいのだが、売っている場所が限られている。
土産ものとして持ち運びに難があるからだろうか。
しかし、合わせて箱に入ったものすら売ってないこともある。
それを言えば、六花亭はほぼマルセイバターサンドばかりなので、これがやはり定番なのかもしれない。
わからないが、それは店の判断だ。何も言えない。
だが、この空港の土産屋は広い。
箱に入ったものなら売っていた。
雪やこんこというココアクッキーサンドも捨てがたい。
だいたいこの辺りの菓子が好きで、選んでいる。
他にもおいしいお菓子はあるのだが、何回でも食べたいと私が思ったものはこの辺りだ。
他のものも、たまにお土産でもらって食べるととてもおいしいのだが。
さて、今回はどうしようか。
マルセイバターサンドはお土産としても定番で、しかも受けが良いのでよく選ぶ。
そのついでに買うことも多い。
ただ、何回食べても良いものは良い。
前回は何を買ったのだったか。
何だか色々考えていたら、やっぱり大平原を食べたいような気がしてきた。
マルセイバターサンドなら、最悪物産展でも食べられるし。
だが、そう言って前回も大平原ではなかったか?
そういえばその前も?
北海道に帰ってくると、大平原を買わずにはいられなくなるのだ。
雪やこんこを買わないで久しい気もする。
そろそろ、雪やこんこを買っておこうか。
私は雪やこんこを手に取った。
そして、またルタオの菓子があるスペースに戻り、ナイアガラを手に取った。
会計をして、私は土産物屋を出た。
三つ買うと、手にそれなりの重みがある。
だが、この重みが良いのだ。
家に帰ると、これを食べれるかと思うと、足が軽やかに動き出す。
さて、そろそろ保安検査場に向かおうか。
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