二章 ダンジョン禁止期間
第23話 家族会議
「ハイ、ということでー。チキチキ!第百三十六回家族会議~~ッ!」
パンと手を叩きバカげたことを言い出したのはおれの向かいに座る親父。蓮枯
「父さん…結構重要な議題なんだからふざけないでよ。」
呆れた表情で親父の隣にいるのは兄貴の蓮枯
「うへへ…おにい独り占めだー!」
にへらとだらしなく笑いながらおれの右腕をホールドしているのは妹の蓮枯
「まあ、兄妹仲がいいのね。」
うれしそうな顔でおれと妹をみるのは母である蓮枯
あとはおれの部屋にいるであろう姉貴の蓮枯
「じゃあ、今回の議題はうちの次男の最近の問題行動についてです。」
家族会議の議長は基本的に兄貴か親父が担当する。今回は親父だ。
「まず一つ目。なにがあるでしょうか。勇也。」
「…わかりません。」
おれが俯いてそう言うと横の夏菜が手を挙げた。
「はい夏菜。」
「おにいが最近帰るのが遅いことー!」
「そうなのか、でも残念不正解。」
親父の言葉に「えー…」とわかりやすく落ち込む夏菜。
「はい。」
おれの背後からそんな声がする。
「え…」
おれは思わず後ろを振り返る。
「はい、秋。」
姉貴が来ていた。
「問題行動、それは…」
「それは?」
「私と×××とか××××。××××××××をしないこと。」
おおよそお茶の間にお届けできない言葉が出てくる。
母に関しては顔が引きつっている。
「…ゴホン。秋、いいか?姉弟の仲がいいのは何よりだがそれは一線を越えているぞ。」
咎めるように言う親父。
「なぜだ?私と勇也は幼いころにけっこ…」
「ハイハイハイハイハイハイ!ストップ!姉貴!ストップ!」
過去に消し去ってしまいたい言葉を言おうとした姉貴の口をふさぎ、静止させる。
「まったく…」
「おねえだけズルい!」
「仲がいいのねぇ…」
「夏菜ぁ…もっとお兄ちゃんに構ってよぉ…」
三者三様の反応を見せる家族。
おれはちゃっかり舐められていた手をどかす。
「ぶはあ…はあ…はあ…。勇也?大胆なのはいいが、TPOを考えるんだぞ?もちろん。私はいつでもウェルカムだが…」
頬を赤らめてそんなことを言う姉貴。
「…まあいいや。続けよ。」
おれはあきらめて席に着き、姉貴も席に着かせる。
「…いちゃつき終わったか?じゃあ続けるぞ。」
親父は呆れた表情でため息をつく。
いつも母親とニャンニャンしてる癖に…
心の中で悪態をついているとまた話が再開される。
「勇也の問題行動はダンジョンでのケガが多いことだな。もちろん探索者な以上ある程度の怪我は仕方がないが、命にかかわるものが多すぎる。」
「私も少し心配ねぇ…」
「おにいもっと体を大事にして!」
「俺が
「私が監禁しないと…」
「えーコホン。なので、いまから一か月。勇也はダンジョンに潜ることを禁止します。この期間でしっかりと問題点を見つめなおしてください。」
結果そうまとまったようだ。
しかし一か月か…なにしよう。
あ。
「ではこれにて第百三十六回家族会議をしゅうりょ…」
「あ!やべえ!」
「?どうしたんだ、勇也。」
「伝える忘れてたわ。なんか師匠が来週来るっ「あ゛????」…ぽいですハイ。」
おれの言葉は姉貴のドスの効いた声によって遮られる。
「…あの年増め。一度ならず二度も私の勇也に手を出そうと。許せん…許せんぞ…!」
またまたブツブツモードに入った姉貴。一気に空気が重くなるが、うちの家族はそんなことは気にしない。
「あなた…勇也と秋を見てたら…思い出しちゃったわ…//」
「美夕貴…。」
親二人は寝室へ直行。
「ささささて…おおお俺はげげげゲームでもするかな??」
結構ビビってる兄貴。
「おにい…今日こそ一緒に寝ようね。」
耳元で囁きかけてさっさと自分の部屋に戻ってしまった夏菜。
のこされた姉貴とおれ。
「ハァ…どーしよ。」
未だ呪詛を行っている姉貴。
その呪いは誰へと向けてるのだろう。世界かな?多分師匠。
「じゃ、じゃあおれは兄貴とゲームでも…」
「待て、勇也。」
こっそり立ち去ろうとしたおれの頭をアイアンクローする姉貴。
ミシミシいってて痛い。
「痛い痛い痛い痛い痛い!」
「さて、今日は私の部屋で説教だ。お前は誰のものなのか…しっかり
「…いい人生だった。」
「なに、大丈夫だ。お前は天井のシミでも数えてればいいさ。あ、あれなら私の黒子でも見ておくか?」
姉貴はA級の探索者なだけあって相当力が強い。おれなんかじゃ抵抗しても意味がないくらいには…
師匠。残念ながら骨での再会になりそうです…
「おい。今私以外の女のことを考えただろう。これは許せないな。」
思考盗聴されてるな。アルミホイルってあったっけ。
現実逃避も虚しく、その夜は眠らせてもらえなかった。
「ああ…勇也。勇也。私の勇也。お前はいつからほかの女に目移りするようになったんだ?昔はいつもいつも姉貴姉貴と私を離れなかったのに。私たちは結婚が約束された関係なんだ。わかっているな。忘れたとは言わせないぞ、十年前の三月十四日の午後三時二十五分五十六秒にお前ホワイトデーのお返しのチョコを渡しながら私と結婚するといったんだ。そもそもお前はいつ私と婚前交渉をしてくれるんだ?タイムリミットはあと二年もないんだぞ?私はいつでもウェルカムだというのに…
やはりあの女か?新居遥斗か?あいつに目移りしたのか?それともあの年増女か?どちらにせよ許せることではない。お前は既に私のモノなんだ。モノがご主人様を離れるなんてありえないことなんだよ。世間一般では3Rと言われているようだが私はリユースされたモノでは満足できないんだよ。私は新品未使用の勇也の勇也を咥え(以下略」
この説教は朝まで続いた。そりゃ寝れねえよな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます