第2話 元生徒会長の記憶

語り手:斎藤健一


15年前、私は中村と共に学校の闇を追っていた。彼は完璧な生徒会長ではなく、正義感の強い告発者だった。不正入試、教職員の汚職、そしてある生徒の失踪事件。


全ては図書館の奥にある特別書架に隠されていた。司書の井上先生は、私たちに手を貸してくれた。「学校を守るのは、君たちの世代だ」と。


中村が最後に私に見せたのは、一枚のメモ。暗号のような数列が並んでいた。「もし俺に何かあったら、これを解いてくれ」。その夜、図書館は炎に包まれた。


白石校長は昨夜、私を職員室の片隅に呼んだ。「図書館の秘密文書は、まだ存在している。井上が隠したものは、まだここに」。場所を告げようとした瞬間、停電。闇の中で、誰かの足音が近づいてきた。


私が持っているのは、中村のメモと、彼が最期に残したボイスメッセージ。再生すると、炎の音と断片的な叫び声。そして不可解な機械音。これは、火災報知器の音ではなかった。


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