第7話 影響力の法則

 璃久(りく)とアルナは、次なる目的地である「共鳴の森」に足を踏み入れた。この森は、美しい草木とクリスタルのような花々で満ちているが、不思議な静けさが漂っていた。アルナが説明する。

 「ここは『波動の森』とも呼ばれ、訪れる者の内面を映し出す場所です。ここでの出会いが、あなたの波動を変える鍵となります。」


 璃久が慎重に歩みを進めると、突然、森の奥から誰かの声が聞こえた。


 「おい、そこの旅人!ちょっと助けてくれないか?」


 声の主は、活発そうな青年だった。彼は璃久と同じくらいの年齢に見え、何やら大きな荷物を抱えて困っているようだった。




 青年の名前はカイン。彼はこの森で人助けをする旅を続けているという。カインは軽い調子で璃久に話しかけた。

 「ここを通るなら、誰かと協力したほうがいいぜ。一人でやっても波動が揺らいで、迷いの中に飲み込まれるだけだ。」


 璃久は少し戸惑いながらも、カインと共に進むことを決めた。すると、不思議なことに森の色が徐々に変化し始めた。青みがかった柔らかな光が辺りを包み込み、璃久の心が少しずつ穏やかになっていくのを感じた。


 「なんだか気持ちが落ち着いてくる…」

 そう呟く璃久に、アルナが説明する。

 「人間関係や環境が波動を変えるのです。カインの持つ明るいエネルギーが、あなたにも影響を与えているのでしょう。」




 森の奥に進むと、一行は奇妙な黒い霧に包まれた場所にたどり着いた。そこは「ネガティブな波動」が渦巻く区域であり、感情が不安定になると霧に飲まれてしまうという。


 カインが先に進もうとするが、急に足が止まった。彼は過去の失敗を思い出し、霧に心を乱されてしまったのだ。

 「ちょっと待ってくれ…俺、進めないかもしれない…」


 璃久は迷ったが、彼の手を取り、力強く言った。

 「一人で抱え込むな。今は僕たちが一緒にいるんだ。だから、進もう。」


 その瞬間、霧の中にわずかな光が差し込み始めた。それは、璃久の前向きな波動が周囲に影響を与えた証だった。




 霧を抜けた先には、「共鳴の泉」と呼ばれる場所があった。その泉は、互いの波動が共鳴することで光を放つと言われている。璃久とカインが手をかざすと、泉が輝き始めた。


 アルナが微笑む。

 「互いに影響を与え合い、波動を調和させた結果ですね。この泉は、あなたたちの新たな絆を象徴しています。」


 璃久はカインに向き直り、笑顔で言った。

 「ありがとう。君と一緒だったから、ここまで来られたんだ。」

 カインも笑い返す。

 「お互い様だよ。俺も、君の強さに助けられた。」




 その後、共鳴の泉から現れた「星の書」の新たな欠片を手に入れた璃久は、アルナから教えを受ける。

 「環境や人間関係は、あなたの波動を高めたり低めたりするものです。正しい波動を持つ人々と共にいることで、あなた自身の未来はより良いものになるでしょう。」


 璃久はカインと共に、次なる目的地へと歩みを進めた。この出会いが、自分をさらに強くしてくれると信じながら――。

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