第6話 焦点の法則

 璃久(りく)は、ルミナスの旅の途中で「星の迷宮」と呼ばれる場所にたどり着いた。この迷宮は無数の光る星々が浮かぶ幻想的な空間で、道が複雑に入り組み、進むべき方向を見失わせる場所だった。


 「ここを抜けるには、注意力と集中力が必要です。」

 アルナがそう言いながら、手を掲げると、迷宮の中央に浮かぶ星のような光点が一瞬輝いた。

 「星座の精霊があなたに教えを与えるでしょう。ただし、心が迷えば迷宮に囚われることになります。」


 璃久はその言葉に緊張を覚えたが、前に進む決意を新たにした。




 迷宮の中を歩き始めると、目の前に無数の星の光が現れた。それぞれが微妙に異なる輝きを放っており、どの光が正しい道を示しているのかが分からない。


 「どの光を追えばいいんだ…?」

 璃久が立ち止まると、突然、星座の精霊アステリアが現れた。彼女は優雅な姿で、星のオーラをまといながら語りかける。

 「璃久、迷いの中で焦点を定めることこそ、焦点の法則の試練です。正しい道を見つけるには、自分の内側に集中し、雑念を捨てなさい。」




 璃久は深呼吸をし、目を閉じた。目の前の星々の輝きに惑わされるのではなく、自分の心の中に意識を向けた。アルナの教えを思い出しながら、自分が進むべき道を静かに思い描く。


 すると、不思議なことに一つの星だけが他よりも強く輝き始めた。それは他の星々の中で静かに主張するような、穏やかで確かな光だった。璃久はその光に向かって歩き始める。


 「焦点を定めたことで、道が見えてきた…!」

 彼は心の中で喜びを感じつつ、集中を切らさないように進んだ。




 迷宮の出口に近づくと、星々が一斉に明るく輝き始め、彼を惑わせるかのように乱舞を始めた。その眩しさに、彼は立ち止まりかけるが、アステリアの声が響く。

 「心を強く持ちなさい。目の前の混乱に飲まれず、一点に集中し続けるのです。」


 璃久は再び深呼吸し、自分が最初に選んだ光を思い出した。周囲の喧騒に惑わされず、その光だけを見つめ、足を進める。




 ついに璃久は迷宮の出口に到達した。そこには「星の書」の新たな欠片が輝いていた。彼がそれを手に取ると、アステリアが微笑みながら言う。

 「焦点を定めることで、あなたは迷宮を越えました。この力は今後の旅でもあなたを導くでしょう。」


 璃久は欠片を握りしめ、深く頷いた。

 「集中することで、混乱の中でも進むべき道が見えるんだね。」


 アルナが優しく語りかける。

 「そうです。そして、その集中力こそが、未来を切り開く力となるのです。」


 璃久はまた一つ成長した自分を感じながら、次なる試練へと歩みを進めた――。

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