第十九話 後輩
しばらくして椎名が起きたのか目を擦りながら起きあがる。
「おはよう」
「ふぁい、おふよ~さいますぅ~」
頭がボーっとしているのか、呂律が回ってないな。
いつもしっかりしている彼女だけど、こう言う所は可愛いな。
椎名はウトウトしながら瑠璃を抱きしめていた。
「もう少し寝てろよ」
「でも、勉強し、ない、と……」
忘れたわ、今日は勉強する日だったわ。
瑠璃や璃々と居たからすっかり忘れてた。
本来の目的は椎名に勉強を教えるはずだったのだ。
時間を見ると三時になっていた。
今からやっても椎名は眠そうだし、今日はいいか。
「僕も璃々ともっと遊びたいし、今日は勉強をやめてまた次回にしよう」
こんな状況でやった所で椎名の為にもならないし、眠いのに無理やりやった所で身にならないだろう。
「そう、ですか? なら私はもう少し……」
そういうと彼女は布団の方へ行くと寝転がと、再びすやすやと眠っていった。
ご丁寧に瑠璃を抱えながらだ。
「にゃっ!! にゃっ!!」
璃々は楽しそうに遊んでいる。
猫は飽き性というが、璃々は元気が有り余っているようなのでもう少し遊ぶのだった。
------------------------------------------------------
「すみません!! 折角先輩がお時間作って勉強を教えてくれるはずだったのに、練ってしまうなんて……」
しばらくして目を覚ました彼女は謝ってくる。
気にするのはそこじゃないと思うのだが……。
ラノベとか漫画だと寝顔見られて恥ずかしいとかそういうのだろうが、彼女には一切そんな感じには見えなかった。
「いいよ、別に。 勉強はまた次回しようよ」
「……いいんですか?」
「また瑠璃や璃々に会いたいしね」
二匹でじゃれている瑠璃と璃々を見ながら言うと、彼女は「約束ですからね」っと言って小指を差し出してきた。
僕も小指を差し出し、彼女の指と絡めるとお互いの指をしっかり握り合い、約束を交わした。
それと同時に二匹はこっちに来て瑠璃は椎名、璃々は僕にすり寄ってくる。
そして話すと僕は璃々を抱え、「また来るからね」と伝えると、「にゃぁ~」っと可愛らしい鳴き声で返してくれた。
そうして少しだけ勉強を教え、僕は二匹に別れを告げ帰路につく。
「璃々、可愛かったなぁ~」
振り振りと振る可愛らしい尻尾と蒼色の瞳に加え元気一杯に動き回る姿はとても癒された。
今度は瑠璃とも仲良くなれるといいな。
璃々とは仲良く出来たので、瑠璃とも仲良くなりたいなと思っていると家に着いた。
椎名結奈(ウザい後輩)と恋に落ちる話 ゆうき± @yuuki0plus
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。椎名結奈(ウザい後輩)と恋に落ちる話の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます