第242話 接吻
紅い髪をした豊満な身体をした女性悪魔グレモリー…。
なんでこんな時にグレモリーは現界に現れたのか…。
ちなみに悪魔が召喚されたり、出現するときは辺りが光り輝くときがある。
魔王級が出現するときは虹色演出で、すごい豪華な光が入り…。
それに準じた位の悪魔は鈍い金色演出が入るのである…。
低級悪魔は何も光らない…。
あと、普通に悪魔を召喚しようとしても、高度な魔術書と魔法陣がいるし…。
召喚できても、大抵の悪魔は召喚者の言うことは効かないので注意が必要。
私みたいなルシフェル様に認められた召喚者は悪魔がひれ伏すけれどね…。
なんて、どうでもいい情報でした…。
そんなこんなで、目の前に現出した悪魔グレモリーはというと…。
私にひれ伏すどころか、半裸の私のことを見下ろしている。
どうやら、現界(人間界)に帰ってきた私を探しているようだけれど…。
何で探しにきたんだろう…?
魔界の時の記憶も曖昧な私には至極真っ当にわからなかった(日本語が変)
「ご主人様、何故私がご主人様を探していたのかと言うとですね…」
グレモリーは私の疑問に答えるように言った…。
そして、すごく悲しそうな表情を見せる…。
「魔界を統治していた大魔王ルシフェル様がなんと引退すると仰ったのです」
え!?ルシフェル様が大魔王の座を引退する!?
魔界に転生したただの人間だった私を贔屓して、可愛がってくれたルシフェル様。
魔界の記憶が曖昧な私でも、記憶の片隅にはルシフェル様の笑顔だった。
他の魔王はほとんど最初は私の存在を疎ましく思っていたはずだ…。
でも、ルシフェル様の恩寵があったからこそ、どうにか魔王軍に入れた私。
かろうじて、魔王軍から追放されないでいれたのはルシフェル様のお力なのだ。
「引退するに当たって、次の代は担うのはノア様、貴方しかいないとルシフェル様は仰っています」
私が…?次の大魔王の座を引き継ぐというの!?
「そうです…!ノア様こそ次世代の魔界だけでなく、この人間界そして天上界も支配するお方」
私、そんな大層な存在でもないと思うけれど…。
あと、なんで私の考えている事、グレモリーにはわかってしまうの…?
「ノア様は確かに魔界生まれの魔王眷属ではございません…」
グレモリーは長い睫毛を伏せて、憐憫の表情で言う…。
「でも、人間でもあり、魔界でも数多の魔王を従えたノア様にしか継げない大魔王の座…!」
そう言うと、グレモリーは服を脱ぎ捨て、私に抱き付いてきた…!
え?え?え?なに?なに?何が起きてるの??
そうして、私の首筋から背中にかけて接吻を繰り返すグレモリー。
いや、いやぁん、何してるの?グレモリーさん!?
触手にいまだに四肢を束縛されている私は、抗うことができない…。
「はぁぁん、ご主人様!愛していますご主人様!やっとお会いできました〜!」
全裸で私の背中に抱き付いているグレモリーの胸部が、私に密着している…。
ものすごいでかい胸と胸の先の突起が私の背中とかに当たっているのですけれど!?
っていうか、なんかすごい大事なことを話していましたよね!?
その話題は何処に!?
「ご主人様が大魔王になる礎として、まず私と再契約の儀を交わしましょう!」
な、なんで私の身体に接吻することが再契約の儀になるの??
私は突然のことで、頭の中が?でいっぱいになった…。
「古来より悪魔が人間の女性と契りを交わす時は女性のお尻に接吻するのが習わし」
そういう習わしがあるのね。でもなんで首筋からキスするの??
グレモリーはずっと私の身体に接吻しながら器用に説明している。
「何故、ご主人様の全身に接吻するのかって…?」
グレモリーはうっとりした瞳で私を見て、舌舐めずりした…。
「それは私がご主人様を愛しているからですわぁ…」
グレモリーの紅く妖しく光る瞳の真ん中がハートマークになっている…。
私はそれを振り返って、見てしまうのだった。
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