第2話 理由は「見つけちゃった」から
DVDを見て、彼を「見つけて」しまった私。
しかし、今までの私の好きなタイプの男性ではないので戸惑いしかない。
私はどちらかというと柴犬っぽい面長な男性で切れ長な目をしている方が好きだ。
同じグループ内にはいかにも私のタイプ!ってメンバーも在籍している。
でも彼が気になって仕方がないのだ。
「見つけた」彼は犬っぽいといえば、そうかもしれないが…
キャンキャン吠えるシーズーやトイプードルのような感じ。
目も大きくタレ目で…
当時CMで流行っていたウルウルした目で訴えるチワワのような目。
全然私のタイプではない。しかもお喋りだし。
私自身がお喋りなので「うん、うん」と話を聞いてくれる寡黙な人が好き…なハズ
なぜ彼がよくて、なぜ彼が好きなのか、説明ができないのである。
でも「見つけ」ちゃったから。
もう彼にしか目がいかない。
彼のやることなすこと全てが可愛らしくてカッコよくて素敵で…
調べてみるとデビュー前から彼のことはテレビでは見ていたようだった。
10代のころから知っていたのだ。
でもその時は見つけられなかった。
20代の今だからこそ見つけられた存在だった。
そこから私の生活は彼が中心になった。
まずは彼が出演しているテレビを録画することから始める。
しかし当時はまだ彼が出ているレギュラー番組は地域限定で
実家でした録画することができなかった。
録画は母に頼むしかなかった。
私の家のチャンネル権は母が握っている。
父や弟たちはそれに反抗の意を示してか、自分の部屋に小さなTVをそれぞれ持っていた。
当時の母はヨン様に劇ハマりしているところだった。
録画を頼むと
「録画中、ヨンちゃんのDVDが見れへん」と怒られる。
たった30分の番組である。
それくらい我慢してその間に家事するなり、風呂入るなりしろよ
という心の声はグッと堪えて
「こっちでは放送してないから」と必死に頼む。
母が録画にいい顔しないのはもう一つある。
「お前は男の趣味が悪い」
確かに私が「見つけた」彼は当時まだ垢ぬけておらず、
いわゆる「イケメン」ではなかったかもしれない。
でも私にとっては世界中で一番の「イケメン」なのである。
自分でいうのも何だが、母にとって私は自慢の娘だ。
自慢の娘が「男の趣味が悪い」
母にとっては許しがたい事態だったのだろう。
同じグループの他のイケメン達なら納得すると母は言う。
「よりにもよって、なんであの子なん?」
しょうがないじゃん、だって「見つけ」ちゃったんだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます