第2話

 しかし、どうやらまだ救いはあるらしい。


 何とか平静を取り戻してテレビをつけようとリモコンのボタンを押すと、何事もなかったように電源がついた。テレビ線やアンテナは正常に機能しているようだった。

 しかし、どのテレビ局も緊急ニュースを報じており、自分一人が取り残されていないことになぜか安堵の息をついてしまった。


 そしてその全てをつなぎ合わせて、ある程度情報を整理することができた。


 まず空が暗いのは、太陽の光を認識できなくなったことが原因とみられているらしい。


 というのも、どうやら植物の光合成は通常通り行われているらしい。私が寝ている間に、同時刻は昼である諸外国が先に調査を始めており、恐らく太陽の発する可視光線の波長が、何らかの要因によってずれてしまい、人間が認識することができなくなったのではないか、という見解が出ていた。


 ただ、その仮説では証明できない事象がある。


 それは、GPSを司る人工衛星が軒並み機能していないことだ。

 朝にネットを見ることができなかったのはそれが原因とみられているらしい。植物は可視光線を受け取ることができるのに、無機物はその恩恵を受けることができないとか、論理崩壊も甚だしい。


 また、紫外線や赤外線など、太陽の他の機能は問題が無いらしい。骨粗しょう症への影響や気温の変動など、長期的な影響はこれから検証する、と各ニュースは締めくくっていた。


 とにかく今のところは、人が太陽の光を認識することができないことが至上命題ということが分かった。



 しかし、案外そんな世界も回っていくらしい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る