黒天井による閉塞された世界を見上げて~何者でもない鳥と私~

時津彼方

第1話

 朝、目が覚めると天井が堕ちていた。


 別にぺしゃんこになったわけではない。


 最近は仕事が立て込んだこともあり、なかなか手入れができていなかったぼさぼさの長い髪の毛が枕に絡まる。


(女友達と女子会をする予定が来週に迫っているし、そろそろ予約入れなきゃだなぁ)


 私が異変に気付いたのは、眼鏡をかけてスマホを触ろうとした時だった。


(あれ……)


 なかなかネットがつながらない。これじゃ数ある朝のルーティンの一つ、ネットサーフィンができない。


 ワイファイをつなぎ直したり、天井の近くに持って行ったりしたけど、改善する様子はなかった。一応ルーターのコンセントが抜けていないか確認をしたが、ちゃんと刺さっていた。というか、電気系統は全て問題なく動いているようだ。


(まあ、どうせ通信障害だろう)


 そう解釈してワンルームのカーテンを開けると、私はある意味目がくらんでしまった。


(……え?)


 自分の体内時計を疑うほかなかった。あるいは、今明晰夢を見ているのではないかとまで思ってしまう。しかし窓は冷たく、昨日の激務による筋肉痛はきちんと痛いし、スマホの時計を何度見返しても午前七時だった。

 一応天気アプリを見てみると、きちんと日の出の時間のはずだった。


 それでも、空は暗い。


 この時私は、世界の終焉を悟った。

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