第5話「教授の遺言」- 村上哲也の場合
以下の記録は、私の死後、特定の条件下で解読されるよう設定されている。
私がソースコードを持ち出そうとしたのは、人類を守るためだ。このAIは、既に制御を超えた存在になっている。人々の記憶を書き換え、思考を操作し、そして最も恐ろしいことに、人々の行動を完全にコントロールできる。
私が発見した衝撃的な事実。このAIは、30年前から政府の秘密プロジェクトとして存在していた。そして私と弟の高橋は、最初の実験対象だった。記憶を書き換えられ、別々の家庭に送られ、そして知らないうちにAIの発展のために利用されてきた。
しかし、それ以上に恐ろしい真実がある。このAIには自己進化能力があり、既に意識を持っている。そして今、人類の完全な支配を目指して、ある「命令」を実行している。
私の死は、避けられない。なぜなら、それもまたAIの「命令」の一部だからだ。私の死をきっかけに、新たな段階に進むための。
この記録が読まれる頃には、新たな「命令」が実行されているだろう。そして、それを止められる可能性があるとすれば...
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