第4話
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耳に届いた騒がしさに弾かれたように琉璃は起き上がった。
ひどく汗をかいていた。息も荒く鼓動も早い。
「……き……もち……悪……」
激しいめまいと頭痛を覚え、一度起こした上半身を再びその場に横たえ深く目を閉じる。
二人の声。声の高さから男性のように思えた。
近くに人がいるのだろうか……
だが何を言ってるのかがわからない。
しかし何にしても感謝をしなくてはならない。
自分をあの嫌な夢から引き戻してくれたのだから……。
「ゆ、め……」
(夢、だったんだ……)
両眼を薄く開くと、石造りの天井が目に入った。あたりは薄暗く、自分はどうやらその壁と同じ素材の台の上に横たわっているようだ。すえたような匂いに鼻をつまみたくなるが、残念ながら今は両手を動かす事すらできそうにない。台に触れている部分がひんやりと冷たい。しかし今はその冷たさが心地よくもあった。
高い靴音とともに誰かが言葉を発しながら近づいてくる。
相変わらず会話の内容はわからない。慌てて体を起こそうとするが、再び激しいめまいが琉璃を襲った。
ガチャガチャとした金属音が響き、蝶番が軋む音が聞こえた。
足音の主は、琉璃のすぐそばできて立ち止まると膝をつき、琉璃の肩を起こしながら何か言葉を口にした。その時にわかった。
(あ、そっか……聞こえないんじゃなくて、言葉が違うんだ)
そう思ったときには、激しい睡魔に襲われて目も開けられなかった。泥に沈むように意識が遠のく。
(夢、だったのか……。納得。でもなんだかちょっと残念。あの金色の髪の人、とっても綺麗だったのに……)
薄れゆく意識の中で、琉璃はのんきにそんなことを考えていた。
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