第5話
花の匂いが違う?
それは錯覚であろうか、それとも?
私は彼女に問うた。「本当に?」
ええ、本当と彼女はいう。
「あなたも嗅いでみてごらん」
私は彼女に駆け寄った。
花の種類について詳しいわけではない。
サクラ、ヒマワリ、一般教養程度、
そのぐらいの知識である。
私は彼女の指差すその花を
自らの鼻を近づけて香ってみる。
「んー、あまりわからないな」
彼女は嘘?というふうに微笑んだ。
「全然違うのよ」
へえ、と息を漏らすように頷いた。
「あなたもしかして、何も知らないのね」
不快な気持ちにはならなかった。
ほんの少し、
彼女に対しての好意を抱いていたのだ。
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