第2話 屈辱

 どうして男は、私をくたびに、粗末な扱そまつなあつかいをするようになるんだろう。


 私は相手の喜ぶ顔が見たいんだ、それで私も幸せになれる、そして私のしたことで喜びを感じたのなら、私を少しだけでも嬉しくさせてよ。


 こんな風に、繰り返くりかえすことが出来たら、ずっと幸せでいられるのに、幸福の循環じゅんかんが止まらないことを、私はいつも夢みている。


 だけど4人の男達は、しばらくつと私のことを、愛してくれなくなっていった。

 いつでも好きな時に、抱けるだけの女に、私を落としてしまうんだ。


 私が愛情を取り戻そうと、愛情をめてくせば、まるで母親のようだと言われてしまう。


 怖すぎるから考えなかったけれど、最初から最後まで、愛してくれていなかったのかな。


 「お待たせ。 うふふっ、好物の肉じゃがを作ったよ」


 「はぁー、また肉じゃがか、今日はパスタが食べたかったな」


 「えっ、好物だったよね」


 「そうだけど、違う物を食べたくなる日もあるんだ。 それくらい、俺が好きなら分るよな」


 そんなこと分からないわ、ちゃんと言ってくれなくては、分かりようがない。



 4人目の男も同じだった。


 難しい顔をしながら、私の作った肉じゃがを食べて、笑いかけもしないで私を抱こうとした。

 私はこの態度に傷ついているし、会話もしないで、ずっとスマホをいじっていることにも我慢が出来ない。


 おまけに浮気をしていることも、分かっている、私をいないものあつかいして、他の女とスマホでやり取りしていたわ。

 夢中だったから、私がのぞいていることに、気づきもしなかったようね。


 「服を脱げよ」


 また命令か、嫌になる。


 「うん、分かったわ」


 「またを開いて見せろ」


 えっ、なんて事を言うんだろう。

 いくら付き合っているって言っても、こんな命令にしたがえないわ、屈辱くつじょくすぎる。


 「そんなの絶対にイヤだ。 浮気しているでしょう。 知っているんだから、もう別れましょう」


 「はぁ、もの欲しそうに、ベタベタとすり寄ってきたから、付き合ってやったのに。 お前みたいな女は、こっちから捨ててやる。 お前には魅力みりょくが、これっぽちも無いんだよ」


 4人目の男は、私へ毒一杯の言葉をはいて、部屋から乱暴に出ていった。

 どうせ浮気相手のところへ行くんだろう、くっ、浮気相手は私だったのかも知れないな。



 少し泣いた後、裸のままで、私はパソコンに向かっている。

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