主人公・揚羽は虫を愛する奇特な姫君。術師の血を引く彼女は、従者である化人たちとともに、都に夜な夜な出没する妖を調伏していました。そんな彼女と偶然出会った少将・柊は、自らの受け継いだ笛に宿る不思議な力を用いて、やがて揚羽たちの妖調伏に加わることになります。次第に揚羽と柊は、お互いにとって大切な存在となっていきますが、彼らの行く道のりは平坦なものではなく……。
揚羽と柊の心の揺れ動きの描写や、戦闘シーンの迫力には目を見張るものがあります。私たちの知っている平安京とは少し違う古都で繰り広げられる、妖調伏譚を是非堪能ください。