第4話 御剣祐希にとっての兄様

「跪くのをやめてください。今回は私たちの我儘を聞いていただいているようなもの。


 また、皆様は兄様のご友人でもある。


 そんな方々を家の威光で跪かせることはしたくないのです」


「そ、そうですか。寛大なる対応、ありがとうございます」


 騎士団長は微かにホッとした表情をする。


(いい案だと思ったんだけど、やはり兄様のように上手くいかない)


 祐希は兄様のように、騎士団の人と仲良くなりたかった。


 これから、兄様の時代がやってくる。


 兄様は、力で民を引っ張るだけではない。


 兄様は、僕達にしてくれたように、どんな時でも隣に立ってくれ、一緒に悩み、考え、笑って、民と共に歩む方。


 兄様を支える存在として、僕たちも民と共に歩めるようにならなければいけない。


 皐月も兄様に支えられながらも、共に歩めるように努力を始めている。僕の方も頑張って行かなければならない。


「準備ができましたら、一緒に賊の討伐に向かいましょう」


「承知いたしました」


 そうして、僕達は準備を整えた後、賊の討伐に向かうのであった。


「祐希様、その一つ聞いてもよろしいでしょうか?」


「構いませんよ」


 行軍中、騎士団長が僕に話しかけてくる。


 僕は笑みを浮かべて快諾する。


「その、本家の護衛などはいらっしゃらないのですか?我々を信用されている結果であれば、大変名誉でありますが、どうにもそうとは思えなくて」


「ああ、その事ですか」


 御剣家は、広大な領土を支配している。


 その為、重要な土地は、本家もしくは分家のものが統治して、比較的に価値が低い所は、この騎士団のように雇ったもので統治をしている。


 そのような事情と御剣家の秘密主義もあって、騎士団のような存在とは、基本的にはビジネス関係に近い。


 つまり、騎士団のような存在は、御剣家への忠誠は高くない。状況次第では幾らでも裏切るだろう。


 だからこそ、騎士団長は本家直属の護衛がいない事に疑問があったのだろう。


「護衛の方はいません。私一人だけです。そして、護衛がいない理由ですが、この程度のことなら、のことだからです」


「……」


 騎士団長は、どこか形容し難い感情に襲われたかのように、微かに目を細める。


 御剣家の次期当主候補であるならば、賊程度に苦戦は許されない。


 勝つのが当たり前である。


 このような事で死ぬのであれば、その程度の存在であっただけ、むしろ不良品が無事に取り除かれたと喜ぶだろう。


「……ならば、何故我々が?」


「兄様が私を気遣ってくれたからです。兄様はいつだって私達を見ていてくださいます」


 兄様は優しい人だ。


 あの大人達のように、いきなり地獄に放り出して、自力で這い上がって来るのを待つだけの存在ではない、兄様はしっかりと私達のことを見て、サポートしてくださる。


 今回も、僕が民との距離の詰め方に関して、苦戦していることを察してくれ、兄様と親交があって比較的難易度の低い騎士団の方々で練習する機会を作ってくださった。


(ああ、兄様!僕なんかの為にここまでしていただけるなんて、兄様はやはり素晴らしい)


 皐月の方も、兄様直々に面倒を見てもらったらしい。


 皐月が満面な笑みで僕に教えてくれた。


(出来れば僕も、兄様直々に見て欲しかったな)


 しかし、皐月が兄様直々に面倒を見てもらったのは、兄様のために地図を作成したお礼とのこと。


(僕も、皐月みたいに兄様の役に立てたのなら、直々に面倒を見て頂けるのかな?)


 我儘は良くないことだとは分かっているが、やはり皐月だけ兄様直々に面倒を見てもらうのはズルいと思ってしまう。


 僕も兄様に面倒を見てもらいたいし、褒めて欲しい。


(兄様に作っていただいた、この機会を最高の結果にすれば、褒めてくれるかな?)


 そんな期待を思いながら、僕は皐月から教えてもらった期待の言葉を騎士団長にかける。


「兄様に任せられた騎士達を私は信頼しています。ぜひ、私を支えてくださることを期待します」


「はぁ!必ずや祐希様、そして任せていただけた若様のご期待に添える活躍を約束します」


 そんな会話をしながらも、僕達は敵拠点へと辿り着くのであった。


「事前に聞いていた通り、規模が多いですね」


 騎士団長は、建設途中の拠点を見ながらそう溢す。


 パッと見た感じ、100人以上はいるだろう。


 それに対して、僕達は奇襲を成功させるために少数精鋭のスタイルを取っており、50人程度しかいない。


 しかし、何も問題ない。何故なら


です。よって、当初の計画通り、拠点が完成する前に速攻を仕掛けて敵を撃滅します」


 兄様の千里眼によって、拠点の規模、状態、人数は事前に知っていた。


 その為、ここまでは計画通りである。


「事前の取り決め通り、三班に分けます。


 私が先陣を切り、道を切り開くので、それに続き突撃して、首領以外の賊を倒していただく班。


 敵拠点を包囲して取りこぼしを仕留める班。


 もしもの時に備えて、拠点の出入り口および、逃走ルートを抑える班です。


 首領は私が仕留めます。準備はよろしいですね?」


「了解」


 騎士達は、一切の無駄もなく素早く各自の役割につく。


「それでは行きます」


 そうして、戦いの火蓋は切って落とされた。




「見張りは暇だよなーー」


「分かる!それなりに長くいたなら分かるけど、ここに来てまだ初日だぜ?見つかるわけないわな」


「本当それ」


 口ではそのように言っているが、二人は一切警戒を緩めることはなかった。


 それは見張りの2人が、自身の役割をよく理解している証拠であり、そこら辺の賊とは違い練度が高いことを意味していた。


 そんな見張りの二人は、白き閃光を目にした。


 そして、気がつげば二人の懐に純白の軍服を着た子供がいた。


 すぐさま、迎撃しようとするが、それよりも早く抜刀された神速の斬撃が二人を襲い、一瞬にして意識を刈り取られる。



 御剣流抜刀術みつるぎりゅうばっとうじゅつ 瞬刹しゅんせつ


 祐希が二人を倒す為に使用した神速の技である。


 御剣流の基本的な考えは、「神速を持って相手に何もさせずに斬る」である。


 瞬刹は、その考えを体現した最も基礎の技である。


 例え9歳とはいえ、祐希も皐月も地獄の訓練を乗り越えて来た。


 2人が放つ瞬刹は、生半可な実力者では、見張り同様、その一撃を認識すら出来ない。


 そうして、一瞬にして2人を戦闘不能にした祐希は閉ざされている門を見る。


(兄様の領土を犯す愚物共、誰一人逃げられると思うな)


 神に等しい兄様の敵対者を祐希は絶対に許さない。


 兄様の敵対者を写す瞳にあるのは、全てを消し去らんとする深淵の闇であった。


 そして、祐希は分厚い門を神速の抜刀によって両断する。


「殲滅だ」


 そうして、兄様の敵対者を駆逐する為に拠点内に強襲する祐希の姿に、先程まであったあどけなさはなく、あるのは歴戦の猛者の風格を漂わせる修羅だった。




「なんだあいつぐぁ!!」


「どんどん仲間がごぶぅ!」


 祐希は、恐ろしく高い機動力と神速の剣技によって、祐希は首領がいるであろう場所に一直線に突き進む。


 それを阻もうとする敵、ルート上にいる敵、その全てが、足を止めることも出来ず、神速の剣技を持って何も出来ずに意識を失う。


 殺しはしなかった。


 後で情報を吐き出させる必要があるからだ。その為に使える材料は多いに越したことはない。


 そうして、突き進んでいるとこちらに向かって来る敵が現れる。


 反応もできなかった敵とは違う動き、祐希は即座に瞬刹を抜き放つ。


 神速の一撃が敵に迫るが。


「おっと、あぶね!」


 敵は、神速の一撃に反応して防いで見せた。


(強い)


 初めて祐希の足が止まる。


「全く、御剣家はヤバいとは聞いていたが、ここまでヤバいのか?


 次期当主様が居るとはいえ、ここは辺境の場所。また、何もしていないし、ここに来たのも初日だと言うのに、深夜には襲撃だ。


 しかも、次期当主候補の1人が直々くる上、クソ強いと来た。全く話が違うぜ」


 僕の剣を受け止めた男は、やれやれといった感じで項垂れる。


(コイツ、僕のことを知っている?)


 御剣家は秘密主義である。


 その為、兄様を除いて僕達は名前しか知られていない。


 勿論、ここ最近は親しくなる為に皐月が兄様と共に街に行ったように、表に出ることあるので、知っていてもおかしくないが、これはつい最近のこと。


 しかも、僕はまだ皐月のように表に出たことはない。


「貴方がここの首領ですか」


「ああ、そうだ。俺が首領だ。とりま、お前を手土産として依頼主に殴り込まないといけなくなっちまった」


「手土産になるのは、貴方です」


「はぁ!それはどうかな!!こう見えて、俺は結構強い方なんだぜ!」


 そうして祐希と首領の戦いは始まる。


(強い!!)


 戦闘が始まって数分、勝負は平行線を辿っていた。


 首領は、祐希の神速の剣技を見切って来る上、剣技も自分と同等以上にある。


 その為、戦いは心理戦へと移行していた。


 心理戦において、祐希は苦戦を強いられていた。


 首領は間合いの管理が非常に上手く、こちらが間合いを見誤り、ちょっとでも無駄な攻撃をしたら致命的なカウンターが来るだろう。


 それだけではなく、手札の多さも厄介だ。


 首領は現在手にしている両手剣の他に腰に双剣を装備している。


 手周りの良さと手数で勝る双剣の強みが活かせる間合いで切り替えられてしまえば、負ける。


 故に、こっちは双剣のことも気にしながら戦わなければいけなくなり、決め手に欠けていた。


「いやー、強いね。子供にここまで時間をかけるとは情けなくなるよ。まあ、負けはしないけど。

 それと戦いは本人の実力だけじゃないんだ」


「!?」


 首領がそう言い終わると共に、手下の賊が僕に斬りかかりに来る。


 追い込まれている中、首領が急に話しかけて来たこともあって、この不意打ちに対応がワンテンポ遅れてしまう。


 力任せに刀を振るうことで、賊の攻撃はなんとか防ぐ方ができたが。


「これで手土産ゲット」


 首領がその隙を見逃すはずもなく。


 致命的な一撃を与えんと剣を振るう。しかしながら、その一撃が僕に当たることはなかった。


「祐希様!!」


 騎士団長が、ギリギリの所で攻撃を防ぐ。


 そうして、互いに一度距離を取る。


「申し訳ございません。取りこぼしました」


「いや、助かりました。それで状況は?」


「今すぐの援護はできません。制圧はもう少しで出来ます」


「分かりました。自身の任務を遂行してください」


「……了解。ただ、困りましたらいつでも助けに参りますので、お声を」


「……」


 騎士団長と素早く情報共有した後、僕は再び首領に集中する。


「へぇ、2人で戦わなくてもいいのかな?」


「……」


 首領の返答になんで返せばいいのか分からなかった。


 僕には皐月と兄様以外の誰かを頼ることをイメージできなかった。


 だって、この程度のこと1だからだ。


 刀を握る。


 読み合いでは、あちらが上。


 ならば、切り札を持って一撃で決めるしかない。練度が高いわけでない為、出来れば使いたくなかった。


 斬撃は飛翔する。


 剣を極めた者の斬撃は、敵との距離を瞬時に殺し両断する。


 原理は不明だ。


 ただ、祐希は知っている。


 剣一本で何処までも遠くの敵を一瞬で切り裂く、現当主の姿を、天を飛ぶ天空の支配者とも言われるドラゴンを剣一本で堕とした兄様の姿を。


 剣を極めた者が辿り着く、1つの極み。


 剣の斬撃から逃れることを許さない、間合いの概念を殺すその技を天翔てんしょうと呼ぶ。


 未熟な自分には、まだ出来ない。


 しかし、魔法を使えば真似事はできる。


 祐希の適正魔法は氷。


 全神経を集中させ、再び斬り合いを開始する。間合い管理が上手いアイツは、強い衝撃などで細かい動きが阻害される事を嫌う傾向にある。


 その場合は、勢いに逆らう事なく、一旦大きく距離を取る傾向がある。


 僕はそれを引き出す。


 焦りを見せるかのように、剣と刀がぶつかり合ったその瞬間に僕はゴリ押そうと力を入れて、そして案の定一旦大きく飛んで距離を取る。


(それを待っていた)


 コイツならば、ギリギリで回避できるかもしれない。だからこそ、何も出来ない空中で放つ。


 刀を納刀して、魔力を極限まで集中させ、そして御剣流の神速の剣術を利用して放つ。

 

 氷斬飛翔ひょうざんひしょう


 御剣流の神速の剣術を持って、世界を断つ氷斬が神速で飛翔する。


「なぁ!?」


 神速の氷の斬撃は、首領に直撃し、吹き飛ばされる。


「身代わりの魔道具か!」


 騎士達と戦っていた賊の1人が唐突に両断される。


「あぶねあぶね、保険があって助かったぜ」


 致命的なダメージを誰かに肩代わりさせる、非常にレアな魔道具。


 そこら辺の賊が持っていいものではない。


(クソ、ならば手数で押す!)


 僕は氷魔法による手数で押そうとする。


「焦ったな」


「祐希様!後ろ!!」


 気がついた時には、すでに回避は不能だった。


 それは熟練の暗殺者。


 暗殺者は、首領を囮にして虎視眈々と、必殺の時を待っていた。


 首領もそのことを理解しており、自分から無理して倒そうとはしなかった。


 実力は拮抗していても、圧倒的な戦いの経験差がそこにはあった。


 しかしながら、首領もまた全てを読み切れているわけではなかった。


 自分が見つけたことの後始末を弟がやることになったと知り、謀殺だけは何としても避けたい心配性の兄様がいた。


 何かあったら恨まれると思い、与えられた天賦の才を余すことなく使い、弟の戦いを見守っていた。


 天賦の才、前世の圧倒的な経験からくる心眼は、戦いの展開を読み切っていた。


 故に、それが放たれるのは必然であった。


 間合いの概念を殺す天翔を神業を持って一矢に変え放たれる不可避の精密狙撃。


 暗殺者の武器は唐突に音もなく砕け散った。


 それに、祐希以外の全員が驚く。


 だが、兄様を信奉する祐希だけは一瞬で理解した。


 そして、祐希にとって兄様の存在とは、どの魔法にも勝るバフであった。


 心の乱れは、一瞬にして消え失せ、動きは極限までに洗練される。


 そして、一切無駄のない動きで、祐希は放つ。


 御剣流抜刀術 円華えんか


 それは、腰のひねる力を存分に生かして円を描くように放たれる技。


 後ろに振り向き力を生かして放たれた円華は、暗殺者に直撃して一撃で意識を飛ばす。


 そのまま流れるように、次は首領を狙うが、暗殺者を狙った隙を逃さんと急接近していた。


「うおおおおーー!!!」


 しかしながら、又も騎士団長が全力で投球した剣に阻まれる。


「くぅ!またお前かよ!!ってしまっ」


 瞬刹


 1回目よりも鋭い瞬刹に、体勢を崩されている首領が対応出来るはずもなく、切り伏せられる。


「お見事です」


 騎士団長がこちらに来る。


「いえ、援護助かりました。あ、ありがとうございます」

 

 こういった経験が、皐月と兄様以外に一切ない祐希は、少しぎこちなくなってしまう。


「所で他の残党の方は?」


 現状確認と恥ずかしさを紛らわすために、祐希は即座に話題を変える。


「期待している部下の2人が、張り切り過ぎてしまい、もうそろそろ殲滅が終わる所です。


 それよりも、暗殺者の武器が壊れた件について警戒しなければいけません」


「いえ、その必要はありません」


「……祐希様?」


 気が付けば祐希は涙を流していた。


(ああ、兄様。やはり見守っていてくださったのですね。


 不出来な弟で申し訳ございません。そして、こんな不出来な僕を助けてくれて本当にありがとうございます)


 兄様は優しい。


 大人達なら笑って見捨てたはずなのに、兄様はミスをしても、助けてくれた。


 大人達なら、罰として更なる地獄へと送り出すはずなのに、兄様は優しく寄り添って解決方法を一緒に考えてくれた。


 片割れもまた同様に、御剣海斗を狂信していた。


 片割れは既に自分のなる道を決めている。


(僕は更に強くなって、兄様の剣となります。そして、兄様の敵、その全てを斬ります)


 その命尽きる時まで、御剣海斗の敵を処断する狂信者の片割れの名は。


御剣みつるぎ 祐希ゆうき





◇◆◇◆◇◆◇◆


(危なかったーーー)


 僕は安堵していた。


 たまたま、発見した賊の討伐について、皐月が後処理をやらせて欲しいと言ってきたので一任した。


 まあ、皐月は頭がいいし、ヤバかったら大人達が止めるだろうし、やらかした直後に、やる気に満ち溢れた皐月のお願いを断れる筈もなかった。


 だから、知り得た限りの情報を全て渡して。後を任せた。


 どう足掻いても騎士団の仕事になる筈だと高を括っていたところもあった。


 実際に騎士団の仕事になるのだが、何をとち狂ったか、祐希も参加することになっていた。


 急いで止めようと思ったが、皐月がメチャクチャ褒めて褒めてみたいな表情で「これでお兄様の役に立てましたか」なんて聞いてくるから、僕は何も言えなかった。


 まあ、騎士団のことはよく知っている。


 だから、大丈夫だろうと思っていたが、この任務で、もしものことがあったのならば、事の始まりである僕が恨まれるかもしれない。


 それが後を引きずり、将来謀殺されるような結果になっては堪らんという事で、千里眼などを駆使して屋敷の屋上から見守った。


 そして騎士団長などの頑張りを見て、特別給与を授与だななどと思っていた矢先、絶体絶命の危機が案の定訪れた。


 僕は密かに憧れ練習していた弓テクによる超遠距離狙撃で完璧な援護を入れて、救い出すことに成功する。


(やはり、用心はしておくべきだな)


 後少しで一生追われるものとして生きる羽目になる所だった。


「お兄様ーー、一緒に寝たいです」


 一つ下の窓から、皐月の可愛らしい声が聞こえてくる。


「いいよ、今行く」


 今の僕は、昼間のやらかしを何とか取り返したい為、皐月にゲロ甘である。


 二つ返事で了承して、皐月がいるところに向かう前に、一応最後の確認をする。


「……あれ、泣いてない?」


 千里眼で祐希を見ると泣いていた。


 一気に全身がスゥーと冷たくなる。


(あれあれあれあれれれれれ、どどどどどうして?危険は過ぎ去ったし、無傷の勝利、功績も皐月と祐希のものになるし、泣く理由なんて……はぁ!!!


 もしかして、戦闘自体が嫌だった!!


 そ、それだ!!!


 普通に考えれば、戦いなんて怖いもの。やりたく無いに決まっている。


 それなのに、僕のせいで戦うことに……謀殺されるーーーーー!!!!嫌だーーーーーー!)


 自分の致命的なやらかしに、皐月の時同様に頭を抱え、どうにか許してもらえないか考えるが、皐月のことも無視できない為、取り敢えず一緒に寝ることにする。


 早朝、そのシーンを祐希に目撃されて、更に不味い状況になる事を、この時の僕は知らない。

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