大翔side

第23話

目が覚めた時、抱き締めていた筈の和葉がそこには居なかった。


シャワーか?なんて悠長に思っていたのも、机の上に置いてある手紙を目にした瞬間、冷静さを無くす。




「っ…なんだよ、これ…」




その手紙の内容に俺はすぐさま家を飛び出した。和葉の姿が見えないとしても俺は辺りを探す。


和葉の携帯に何度電話をしても繋がる事はない。


なんで…なんで和葉は……出て行ったんだよ。


俺から離れないって言ったじゃねーか。


和葉がいない――こんな現実を受け入れろってか?


無理だ、そんなの。無理に決まってる。


さっきまでは和葉が隣に居た筈なのに、感じていた温もりが無くなるってこんなにも苦しくて痛いのか。

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