第16話
何がなんだかさっぱり理解できない。
勝手に決めないでよ。周りは関係ないでしょ。なんて、一番言いたくても言えない言葉だった。
もしかしたら本当に大翔は迎えに来てくれるのかもしれない。
淡い期待を抱いてる自分に苛立って、私からあの優しい手を放したクセに今更何を言えるというんだろう。割り切るなんてそんなの無理だったのに…
一週間がたった。
二週間がたった。
大翔は私の前に現れなかった。
あぁ、なんだ。アレはただの夢だったんだ。
そうだよね、だって大翔には大事な物がたくさんある。
間違いなんかじゃない。
これは正しい選択。
大翔が幸せになれる選択。
そう思えば少しも心は痛まない。
大丈夫。大丈夫。
何度自分に言い聞かせたか分からない暗示を一人、唱えながら胸を抑えた。
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