10年後の私へ
この美のこ
第1話
最近の葵は伝い歩きをして歩き回るようになって行動範囲も広がり、目が離せない。
とっても活発な女の子だ。
自分でやりたい意志や好奇心が強くなっておまけにイヤイヤ期に突入。
美沙は葵を見守りながら、掃除に洗濯、ゆっくりする暇もない。
そして今日はいつもよりイライラしている。
というのも昨日些細なことから旦那である
そんな時、葵がテーブルの上のまだ飲みかけのジュースをこぼしてしまい、そばにあった新聞もびしょ濡れ!つい
「もう、何してるの。ダメじゃない」
と大声をあげてしまった。
その声にビックリした葵が
「うぇ~ん!!」と泣き出した。
― 泣きたいのはこっちだよ
その後ハッとして
― あぁ~、私のバカ、葵に罪はないのに
その後、葵をギュッと抱きしめながら
「今日のママ、怒りんぼでごめんね」
と謝りながらため息をつく美沙だった。
そんな時だった。
~ピンポ~ン~♪
宅急便で荷物が届いた。
美沙は、実家の母から昨日
“美沙、元気?実家に美沙宛の小包が届いたから野菜と一緒に送ったよ。明日には届くと思うからね。葵ちゃんも元気でいるかな?たまには実家に遊びにきんさいよ。真人さんにも宜しく。体に気をつけて頑張るんよ”
とラインがあったのを思い出した。
早速、荷物を開けると実家で作った野菜や缶詰、レトルト食品、干物なども入っていた。
葵へのベビーフードも入っていて嬉しい小包だった。
“荷物届いたよ。色々ありがとう!助かります!(^^)!”
とラインでお礼を送った。
そして、私宛の小包って何だろう?
と取り出してみるとそれはタイムカプセルの箱だった。
懐かしい写真、小説、CDなどと一緒に手紙が入っていて
『10年後の私へ』と書かれていた。
あっ!そうだ!
にわかに思い出して来た。
10年前、当時中学3年生だった美沙たちのクラス全員で、その年にあった市の主催で『宝物と一緒に「10年後の私へ」と題して手紙を書いてタイムカプセルに入れよう』というイベントに参加したのだ。
『10年後に市が責任を持って本人に届けます』と言っていたのだ。
それが、今届いたのだ。
美沙は嬉しくなって
―うわぁ、あれから10年、早いなぁ。どんなことを書いたっけ?
とワクワクしながら手紙を読みはじめた。
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