寮内での催眠術――自由すぎるルールに胸踊らせる男子
寮長のガイダンスは佳境に入り、新入生たちは緊張と期待の入り混じった表情で彼女の話を聞いていた。そして、ついに「寮内での催眠術」に関するルールが説明される瞬間がやってきた。
寮長は穏やかな微笑みを浮かべながら、ゆっくりと口を開いた。
「さて、寮生活における重要なルールの一つについて説明します。それは――催眠術の使用についてです。」
その言葉に、新入生たちは一斉に耳をそばだてた。政宗も例外ではない。
「この寮では、催眠術の使用は原則自由です。」
(じ、自、自由!?)
政宗は思わず息を呑んだ。周囲の女子たちも興味津々の表情を浮かべながら寮長の話に聞き入っている。
「相手の同意があるかどうかは問いません。むしろ、皆さんには積極的に催眠術を練習し、技術を磨いていただきたいと考えています。」
(うおおおおお……最高すぎるだろ、この寮!)
政宗は興奮を抑えきれず、拳を軽く握りしめた。しかし、寮長の説明はさらに続く。
「もちろん、かけられる側は抵抗しても構いません。ただし――」
その「ただし」に、政宗の期待がさらに膨らむ。
「催眠術がかかった場合、催眠術を使って、かけた側は何をしても、何をさせても問題ありません。」
(何をしても……何をさせても……!?)
政宗の頭の中で興奮の鐘が鳴り響いた。
(つまり、俺が催眠術を使えば、美少女たちにどんな暗示をかけてもいいってことだよな!?)
思わず顔を赤らめながら、頭の中で妄想が次々と膨らんでいく。
(好きな子に「俺のことが大好きになる」って暗示をかけて……そのまま一緒に……! いやいや、それだけじゃない。もっといろいろなことを……! )
心の中で小さくガッツポーズを取りながら、政宗は自分の未来に胸を躍らせていた。
しかし、周囲の女子たちはそのルールを当たり前のように受け入れていた。
「へえ、そんなルールなんだ。いいね、練習しやすそう!」
「うん、もっと上手になれるように頑張ろうっと!」
「えっ……そんな無警戒な感じなのかよ……?」
ガイダンスが終わり、講堂から出た政宗は、寮の廊下を歩きながら一人興奮していた。
(催眠術が自由に使えて、しかも成功すれば何をしてもOKなんて……こんな環境、夢のようじゃないか!)
目の前には美少女だらけの寮生活が広がっている。その状況を思い浮かべるだけで、政宗の心はときめきでいっぱいだった。
(でも、俺がまだ覚えたのは簡単な暗示だけなんだよな……。)
ふと、今日の授業を思い出す。ペア練習で教わったのは、「手がくっつく」とか「腕が軽くなる」といった単純な暗示ばかりだった。
(こんなんじゃ全然足りない! 俺が本当にやりたいのは、もっと高度な催眠術なんだ!)
政宗は拳を握りしめながら、頭の中で妄想を膨らませた。
(たとえば、俺に逆らおうとするクール系美少女に、「お前は俺の言うことに逆らえない」って暗示をかけたり……。)
(それから、元気系のあいつには、「俺のことが大好きになる」って暗示をかけて、デートに誘ったり……!)
妄想がどんどんエスカレートする政宗。気づけば顔が真っ赤になりながら、足取りがどこか浮ついていた。
(でも、実際に抵抗する相手に催眠術をかけるのって、どうやるんだろう……?)
政宗は首をかしげながら、ふと考え込む。
(普通に考えたら、抵抗されるってことは、目を合わせるのも難しいだろうし、声だって聞いてもらえないかもしれない……。)
そこで思い出したのは、授業で見せた水瀬沙耶の見事な技術だ。クラス全員を一瞬でリラックスさせ、簡単に催眠状態に導いた彼女の姿が脳裏に浮かぶ。
(あの先生みたいに、圧倒的な技術があれば、どんな相手だって簡単にかけられるんだろうな……。)
政宗は教室での光景を思い返しながら、小さくため息をついた。
(はやく、抵抗する相手に催眠術をかける方法を教えてくれないかな……。)
催眠術を完全にマスターした自分の姿を妄想する政宗。クラスメイトの美少女たちが、自分の催眠術に従っている場面が次々に浮かぶ。
(まずはクールな日向凛音に「俺に従います」って言わせて……元気な夏川彩花には「俺が好きだ」って言わせて……。)
頭の中で無限に広がる可能性に、政宗は自然と口元を緩めた。
「ふふふ……催眠術を極めたら、俺のハーレム計画は完璧だ!」
その声を、たまたま廊下を歩いていた先輩の一人が聞いていた。
「……あの子、大丈夫かな?」
「うん、完全に勘違いしてるね。」
後ろから聞こえる囁き声には気づかないまま、政宗は一人妄想の世界に浸っていた――。
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