悪のもとに正義を見出す
【緊急速報 B-jecter開発者による犯行声明】
《B-jecter事件の元凶、X氏によるテロ行為》
『各国はX氏によるミサイル防衛のため地対空ミ
サイルの配備を着々と進めています』
〈首謀者X氏を国際指名手配〉
『我々人類はB-jecterによってあらゆる情報を流
し込まれた。考える自由を奪われたのだ!貴様は次に我々の命をも奪うというのか!神にでもなったつもりか知らんが、強き人間は決して屈しない!今こそ人類が団結するときだ!』
『大統領の演説です。みなさま、テロの恐怖に屈してはなりません!そして絶対に許してはなりません。X氏によって奪われた思想の自由を取り返す時なのです』
ーピッ
本当にテレビじゃ散々な言いようですね。
B-jecterを最初に欲しがったのはテレビに映るあんたらミーハーや金持ちだったし、使い方を誤ったのもあんたらでしょうに。
人は幸せになるために生きるんでしょう?
なぜ不幸になるために力を使うのです。
誰かの幸せが誰かの不幸になってしまう世の中を作っているのは、本当に不思議です。自分より下の人間を見なければ自分を確立できないのが、残念な人間の本性だからでしょうか。
ねえお寝坊さん?
-にゃーん。
やーよしよし。だっこしてあげましょう。言葉が通じない方が愛くるしく感じるのも不思議です。いや、愛くるしく感じることこそ罪でしょうか。他を可愛がることは他を見下しているだけであり、他を可愛がる自分に満足しているだけなのかもしれません。
-にゃーん!
いたた、ただのブラックジョークですよ。
ん?ネタが通じている?あなたにはB-jecterで言語を入れた覚えはありませんが…まあそれはさておき、ちょっと離れててもらいますね。今から僕は人類の悪役になりますから。あくまで人類限定、ネコの世界にはいつだって味方ですからね?正義のヒーローの誕生を楽しみに待つとします。
Re-jecter装填、
PARADO✖️起動。
発想抽出
-弾道ミサイル発射状態
回収規模
-0.α.β世界線
回収弾数
-現時点 -極限-
撃て。
『《速報》防衛省よりたった今弾道ミサイルの発射が確認されたとの報告がありました』
『こちら報道デスク、報道デスク。軍関係者からレーダー写真が送られてきました。その数、レーダーに観測された点がミサイルとのことですが…レーダーが真っ赤で何も見えませんね、』
『…。レーダーは本来緑色です』
『しかし、点が見えませんよ?』
『本来、赤は点です。小さい点なんですよ』
『…ということはつまり、』
『現状の観測技術では計測不可能なほど、無限に近い数のミサイルです』
『、まあまあ落ち着いてください。これは素人の攻撃であることを露呈しています。こんな数のミサイルを打ったんだ、一発でも地対空ミサイルが当たれば空中で全弾自爆するだけです』
『あ、ああわかりやすい!おっしゃる通りですね!現場キャスター、迎撃システムの方どうなっていますか?』
『緊迫感高まる軍施設近くです!既に肉眼で見えるほど、ミサイルが迫ってきております!』
『そんなリポートなんていらん!早く退避しなさい!!なんで取材を続けさせるんだ!ディレクターは何を考えてる!な、なんだやめろ、放せ、おい!…』
『失礼、スタジオの方乱れました。現場リポーター!迎撃システムの方作動していますか?』
『はい!その地対空ミサイルの方ですがこちら、なぜか動きがなく、、え!?たった今地対空ミサイルの発射台が破損したのでしょうか?モニターをご覧ください!バラバラに崩れていきます!!』
『、』
『サイバー攻撃か何かか!ミサイルも何もかもが、ああ!!!!!、!!、、!!!、!!ーー!!…』
『被害甚大!!防衛システム異常!!避難!!!!うわあああああ!!!!!!!!!、ー、!!…』
『なぜ反応しないんだ!はやく打ち返せ!!軌道を逸らせろ!!一発当てればいい!!』
『だから反応しないんですよ!!!!!!』
『撃て!うt、あああああ!!!!!!!!!!!!!!!!』
………
『A軍事基地、全域ロスト』
『B.ロスト』
『C.ロスト』
…
『Z.ロスト』
…
『先ほどの音声は着弾時の軍事基地の様子です。世界各国の軍事基地全てにミサイルが命中、人類はものの数分で壊滅状態となりました』
『世界平和機構より、緊急警戒アラートが発令されました。ただちに避難所へと移動願います。繰り返します。ただちに避難所への移動を願います』
『世界各国はこれより一時的に不可侵条約を締結。同盟を結び、この一件に対して一致団結して取り組む姿勢。ミサイル発射地点の分析を急いでいます』
『犯行声明を出したX氏の行方は未だ不明となっており、ミサイル発射地点の追跡が急務となっております。そして、ミサイルが着弾した軍事基地がはっきり見える位置の集落に現場リポーターがいます。そちらの状況どうでしょうか?』
『はい。こちら、着弾時にはごおおおおおおおおおおっというような爆音がはっきりと聞こえました。ご覧ください。軍事基地がまだ、燃えております』
『十分に安全を確保して取材に臨んでください。今は避難所の方にいるとのことですが、現場の方にお話を伺うことは可能ですか?』
『はい、こちら奥に進みますと、簡易ベットが用意された施設になってまして、先ほど避難して来られた男性にお話を伺いたいと思います。お疲れのところすみません』
いえいえ
『着弾時の様子はご覧になりましたか?』
はい
『音と風、すごかったですよね』
ええ
『、避難所までの道のりは安全だったでしょうか?』
はい
『ええ、ご家族の方はご無事ですか?』
家族?私にはこの猫しかいません
『失礼しました、ご無事で何よりです。では最後に。テロ行為を行ったX氏に対して、何か伝えたい気持ちなどありますか?』
僕はここですよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます