第4話 入学式④
今年(第18期生)の入学者数は、655人。
魔法学校志望の生徒は年々増加している。
故に、受けたい授業の予約もまともに取ることができない。
教育指導担当のアルカリーン先生は、来週に予定されている適性検査の結果から、予定を組むよう話はあったが、僕の目的とは意に沿わない。
破裂音、光線、震動、血。
思い出すだけで吐き気がしてきた。
でも、立ち止まっていられない。
すぐさま内ポケットに入れた
「なにを突っ立っているの?」
……げっ。
前から、
「……えぇと、特に何でもないです」
踵を返そうとしたが、裾を掴まれる。
「待ちなさい……ふぅ~ん。この授業受けたいの?」
リムさんは、教室前に貼られた予定表を見ながら首を傾げる。
「……はい、でも予約が埋まってい……」
「恩返し」
何やら紙のような触感が手に伝わる。
……何だ?
思わず手元を確認する。
そこには、『赤魔法概論』の予約チケットが折り畳まれていた。
「赤魔法系統は人気が高いから、優秀な生徒しか受けられないの。……それじゃ」
「え……あの!」
振り返ったときにはもう、裾と胃は軽かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます