第2の試練
「クソ…何処だあのガキ!?」
「ここにもいない…か。重要な…」
(はぁ…はぁ……)
死に物狂いで走り、奇跡的に追手を撒く事に成功したアリスは近くの建物の物陰で、息を整えてから、地面にしゃがみ込みました。
(うぅ…ど…どうしよう。)
無我夢中だったとはいえ、誰かの…ましてや、自分の父親の財布を奪うだなんて事をしでかした以上…もし捕まれば、ただじゃ済まない事くらい、10歳のアリスでも分かります。
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【それでは、このままアリスが黒服や親からの逃走に成功するかしないか…ルーレットをお願いします。これは第2の試練ではありませんが…ここで失敗すれば、現在のルートが変わる可能性があります。】
ここでもですか!?…っ、2分の1かぁ…きっとアリスさんなら成功してくれ…うん。失敗しちゃったよコノヤロウ。
【では、続きをどうぞ。】
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恐る恐るアリスは耳を澄ませていると、少し離れた場所から、声が聞こえて来ました。
「ああ!!!…ここにもいない!!!!動きからして、遠くには行ってない筈なのに…!!!!!!」
「落ち着け。どうやら、隠れるのが上手なお嬢ちゃんのようだ。やはり…片鱗があるな。」
「…?いや、ベル隊長は冷静すぎるんですよ!?隊長が最初からあそこにいれさえすれば…こんな事にはならなかったのに!!!」
「トーチ。君が焦り過ぎな気もするがね。ついさっきまで、前線で魔物と戦っていたのだから許して欲しいものだが…心配なら、町の門兵に誰も出さないよう連絡しに行くといい。」
「た…確かに。流石は隊長。じゃっ、早速行って来ます!!!」
「やれやれ。では、ご両親…お嬢ちゃんが行きそうな場所にアテはありますかな?こんな魔物の体液塗れの姿で会話などしたくないとは思いますが……」
「あっ…あの子はその。おてんばな所がありますから…町の外に出てしまったかも…」
「もしそうなら、全て終わりだ。ただでさえここは……」
「ご両親…落ち着いて下さい。そうならないように、施設へと連れて行き…特別な教育を受けさせるのですから。そうすればきっと……」
段々と近づく足音に恐れを感じたアリスは、すぐにこの場から逃げようと立ち上がりますが、運悪く…何処にでもある道端の石を蹴ってしまい、音を立ててしまいました。
「…あっ。」
「…っ!?いました隊長、あそこです!!」
「お前達、今度は油断するなよ。だが決して傷はつけるな。それ以外なら手段は問わん…ご両親。協力してくれますか?」
「は、はい。力になれるなら。」
「ああ…協力する。」
黒服の人達や親が走ってくるのを、全て追い越して、緑色の体液塗れで顔がよく見えない人がアリスに接近して来ます。
それも…絶対に逃げる事は出来ないと、幼いながらも確信するくらいの速さで。その人がここへ来るまでの刹那の時間で、アリスは考えます。
1.それでも逃げようと試みる
2.持っている財布を投げる
3.あたふたする
4.微笑む
5.大声で助けを呼ぶ
6.諦めて身を委ねる
7.汚いから、体液塗れなのをどうにかしよう!
8.頑張って戦ってみる
9.踊りを披露する
10.ムリ。連れていかれるくらいなら、死を選ぶ
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【では…第2の試練を始めます。ここで、ルーレットをお願いします。】
はい…えっと、結果は……4。4かぁ…う〜ん。
【続けて下さい。】
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時間もなく、逃げる事も戦う事すらも出来なかったアリスは、体液塗れの人を見つめて微笑みかけました。それはもう可憐な表情で。満面の笑みを浮かべています。
「っ……んんっ、よし捕まえたぞ。手がヌメヌメしているが許して欲しい。それとお嬢ちゃんが持ってるその財布は没収しておこう。」
大人達から逃げようだなんて10歳の少女には余りにも身が重たかったのです…僅かに体液塗れの人の動きが鈍った気もしますが、それは目の錯覚でしょう。
駆けつけた人達から父親を見つけて、財布を返すと、アリスの右手を引いて歩き出しました。
「これからお嬢ちゃんを、私が施設へ連れていく…お前達は町での警護に戻…どうした?」
アリスが足を止めると、父親と母親を見て…涙を流して、自分がした事を謝りました。
親や黒服の人達は、アリスの前では、涙こそ流しはしませんでしたが…別れた後、後ろから泣き崩れる母親の声が聞こえて来て……アリスはまた泣きました。
「おっ、ベル隊長!!そのガキ捕まえたんですか!!!はぁ…良かったぁ。」
「トーチ。私はお嬢ちゃんを送る。その間、前線の指揮を任せようと思うが…出来るな?」
「ははっ、それくらい出来なきゃ…隊長みたく出世なんか出来ませんもん。アンタの最高の部下であるこの俺、トーチに任せて下さいって!!」
「……頼んだぞ。」
アリスは施設がどんな場所なんだろうという不安で小さな胸が張り裂けそうになりながら、町の外にある馬車に体液塗れの人と乗り…生まれ育った町を初めて出たのでした。
第2の試練 生存
【——盗賊ルート→人質ルートに入ります。】
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