第4話 激モテ。兄妹
「すごい――!」
私は森内緑。小5の年代の親に捨てられた貧乏な女子。動画投稿をしているのだが、
昨日投稿した動画の再生回数を見て、私は絶句。
な、な、なんと!!2.5万回再生まで登っていたのだー!
私は細々と500回とかでやってきたから、とっっってもびっくりしちゃった。
やっぱり、海にぃに出てもらったおかげかな。
海にぃは私の兄。本名、森内海。同じく、中2の年代の親に捨てられた貧乏な男子。実は私がやってる「自然の妹」のファン。
「すげえな。みどりん!」
どたばたと海にぃが起きた。びっくりするなー。もお。海にぃは私のことをみどりんと呼ぶ。でも……。
本当にすごい。海にぃすごい。
海にぃの声はかっこよくて、トークもよくて、本当に女性を魅了させる。
「さ、出かけようぜ」
海にぃが言った。え、ごはんは?どこ行くの?
「遊園地に行くんだ。」
???
私の脳内がクエスチョンマークで占領された。海にぃはそんな私にお構いなくトコトコと歩いていく。
「お姉さん!」
海にぃが、遊園地の受付にいる、スラッとした、背の高いお姉さんに声をかける。
「あら、かいちゃんっ。」
「おはようございまーす。」
「今日はちょっと早いのねっ。あら、お隣の子はだあれっ??」
「実はこの子」
海にぃはそこで言葉を切ると私をグッとお姉さんの方へ出す。
「きゃっ」
「妹です!!」
お姉さんはたいそう驚いた様子で問いかける。
「えっ、いなくなっちゃったんじゃなかったんだっ!?」
「ええ。見つかりました!」
「わあ……よかったねっ!!えーと、みどりちゃんだっけ。お兄ちゃん、大切にしてねっ。」
そして小声で耳打ちする。
「イケメンの、いいお兄ちゃんを持ったね。
私、実はかいちゃんのことが好きで,,,告白したいから,,,,手伝ってねっ!」
・・・
「えっ、えっ、こ、告は,,,!?」
パニックになった私の唇にそっと指をあてて制する。
「しーっ!だから、協力してねっ。」
だから、お兄ちゃんが出たらあんな人気が出たのかなっ?
お兄ちゃん、モテすぎ!
「あ。お姉さん。ご飯、食べたいんですけど,,,」
「ん、いいよっ。妹ちゃんと食べるのなら、おいしいのをごちそうしなきゃねっ」
「ありがとうございます~」
いい人だっ。ちょっと‟っ”が多いけど。
にしても、告白するって言ってたけど、何歳なんだろ?
「あ、あの、お姉さん、何歳ですか?」
「16歳だよっ。」
高1か。そんなに年代は離れてない。名前も自然だし。似合う,,,かも。
そうじゃなくてっ!お姉さんのおかげでご飯が食べれる。さかのぼると、海にぃのおかげっ!ありがとー、海にぃ!!
お姉さんは「もしもし」と、電話をし始める。
「もしもし。
[あら、
「うんっ。なんと、いもうとちゃんも来たのっ!」
[ほんと!?ちょ、ちょ、ちょっといもうとちゃんに変わってぇ!]
私はお姉さん――果林さんというらしい―にスマホを渡された。
「あ、はい。もしもし。み、緑です。う、海にぃの、い、妹でしゅっ!!」
[フフフッ。きんちょーしすぎ。みどりちゃんっ!]
椿さんというらしいお姉さんはとてもフレンドリーな感じ。昔はギャルだったらしい。
「ひゃ、ひゃいっ」
「フフフ。ねえねえ、お兄ちゃんイケメンだよね~。うちの遊園地女性では大人気なのよ~。私、告っちゃおうかなぁ!!」
「フ、フへ!?」
[半分本気ー!だって、好きなんだもーん]
海にぃ、モテすぎだろーーー!
「う、う、海にぃ。そんな人気なんですかぁ!?」
[ええ。外見もイケメンなのに、イケボだしい、運動神経もいいしぃ。ほんとすきっ!みどりちゃんも遊園地男性には人気になるかもねぇ]
「い、い、い、いや!そんなことないですぅ!!」
[じゃー。待ってるよお。]
プツリと電話が切れた。興奮しちゃった……。でもしな、仕方ないでしょ!
海にぃって、すごいんだな。名前も合うけど。海にぃ大変だな。
果林さんは私たちを遊園地内のレストランへ案内してくれた。
「はいどーぞ」
目の前に現れたのは、おいしそうなハンバーグ!初めて見た!聞いたことはあったけど!すごい!めっちゃおいしそう!早く食べたい!
興奮した私を見て、果林さんは微笑む。森さんが入ってきた。
「あっ、あっ!かいちゃん!」
「お久しぶりです。森さん。今日はお世話になります。」
「もお、謙虚なんだから。」
――これはモテるな。
「あ、みどりちゃん!かわいい!絶対君、モテるよ!おいでよ空!」
ひょっこりとかっこいい男の人が出てきた。
「なんでしょうか。森さん……。」
はっきり言って私のタイプだ!
スラッとした足、しっかりした、でもカッコいいファッション、かっこいい声、運動がうまそうな見た目。
カッコいいいいいいい!!!
「見てみて~。あのかいちゃんの妹ちゃんなんだよ~。会いたいって言ってたでしょ~。」
「ふえっ!?」
え、そうなの!私はほおが赤くなるのを感じた。うれしい!
空さんは驚いたみたいでちょっと見つめるとフイッと行ってしまった。
ん、嫌われた?好きになった?
どっちかかな――
私はそのあと、海にぃのモテようと、私の周りにわらわらと集まる男性たちにどぎまぎしながら、おいしいハンバーグを堪能した――――。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます