第9話 面談
「む。いや、………ふむ?ならば、その武勇をどうする?」
昂り立ち上がった長慶はアッサリと「違う」。そう言われたことに、落ち着きを取り戻した。いや、呆気にとられていたところから気を取り戻したというのが正しいのかも知れない。
長慶は再び脇息に肘を置く。つい先程まで寄りかかっていたような力無い座り方ではない。力がみなぎった姿ではないが、
「そこなる卜伝の跡を継ぎ、鹿島の神道流なる武芸を広めるか?それとも香取の方か?」
ジワジワと増えるような威圧感に恐ろしさを感じる姿を長慶は見せる。他人には分かりづらいことではあるが、『圧』を感じることができる道慶からは恐ろしさに含めて、熱を感じられた。例えるなら少しずつ熱されていく鉄板の上にいるような感覚だろう。つまりは良い熱さではない不快なものだ。
道慶は背中や腰回りに少しずつ、しかしながら止まることのなく出てくる脂汗を感じた。
「それとも、一介の流浪剣士を気取って名を売るか?」
卜伝は確かに神道流の系統ではあるが、卜伝自身は新當流を開いている。まぁ、卜伝は新當流も神道流の系譜も教えているので大きく間違ってはいない。
そもそも神道流は総合で、新當流は剣術が……まぁ、細かいことは今はどうでもいい。それにコレでも小集団の長なのだから流浪剣士なんて、いやいや、それも今はどうでもいいことだ。
「何を成すか。それが分からないのです。」
「宝の持ち腐れも良いところではないか。」
グッダグダで結論を出すことができない道慶に、大きく顔をしかめる長慶。トントンと脇息を叩き、
「良いか!」
と、声を張った。なんか既視感の様な、いや、実際に経験があった感覚の道慶。今川でも北条でも相手の感情や方向性は違っても、似たような状況はあった……はずだ。しかし、道慶の頭は、
(なんか。偉い人に説教というか。相手にしていただけるのは、なんと言えば良いのか。)
目が留まる存在感。もしくは、人間的な魅力というものだろうか。いや、単に目がつきやすいだけなのだろうか…などなどと、変な思考な渦に入っていた。
(どうにも、本当に京に来てから乱調気味だよ。……おっと。)
少しばかりの素が出てしまったのを気が付かないほどの不調が続き、今じゃどうにもこうにも頭も回ってない気がするほどだ。
「……と、なるも。良い。ワシはそれを否定せずに、認める。」
聞く側の道慶はボンヤリとしていたのだが、天下人たる三好長慶の話はどうやら熱の入った説教から、雰囲気の良い方向に変わっているようだ。
道慶は軽く息を吸って、気を取り戻した。なにか良いことを言っていたようだが、申し訳ない気がしたからもある。
「その腕をくれ。この三好長慶の無聊や気を取り戻した褒美もやろう。」
「ありがたき幸せではございますが、お断りさせていただきます。」
なんか勝手に話をまとまってるのも、自分が自失してるような状況での認められてるのも嫌な道慶は即答で断るのだった。
この反応には道慶側も長慶側の人間も唖然とした。
※作者の一言……筆が中々進まない。上手くもないのにスランプになってる感じかなぁ。なにか思考に響く刺激が欲しい。なんか、最近の大河や時代劇。響かないんだよなぁ。(執筆中に時代劇を聞いている。)
次話も書いているのですが、まだ3割ほどです。読んでくださる方には謝りぱなしで申し訳ないですが、もう少しお待ちをください。早く全国回って旗揚げしたい。
追記(09/03)・誤字修正。
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