第5話 ポムりん

翌日、学校の昼休み

私は独り黄昏れていた。


昨日はあの後、お母さんとお婆ちゃんに、何か変な病気にでもなったのかと疑われた挙げ句、熱も無いのになんでか体温計で熱を計られた上、36.5℃と言う平熱だったのにも関わらず、おでこに、冷えピタを貼られそして、良く犬の飼い主がペットの犬に、室内、又はそのケージ、ワンちゃん小屋へ帰りなさいを伝えるキーワードの


「◯◯ホーム!!」


を◯◯の所へ私の名前[羽芽]を当てはめた


「羽芽ホーム!!」


私を見る四つの目が、その無言の圧力で訴え掛け、納得の行かぬまま、私はそれに従って布団に入った。


実に由々しき問題である!


そう、まさに実に由々しき問題である!!


私は大切な青春の1ページを台無しにされた挙げ句に、ヘンな子&そして痛い子 として確定されてしまったのだ。


故に今朝も、お母さんとお婆ちゃんは私に妙な気遣いをし、


「なんなら病院へ行ってみるかい?」


と、同情の浮かぶ顔しながら、

そんな事を言い出して来たのだ。


『……でも、だからって病院って……💧💧』


とにかく、そんな思いを胸に私は開け放たれた教室の窓に凭れ掛かりながら


「ふうー。」


と、所在の無いため息を吐いた。








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