転生

意識が浮上するような感覚と共に、やけに重い瞼を開けると、視界に映ったのは知らない天井。

・・・・・・・・なんだ?体が重い。一旦立ち上がって周囲を確認しようとしたのだが、とにかく重い。

なんなんだよ、どこだよここ。はよ帰らせろよ。

てか、どうなってんだよオレは。

意味わかんねー。


「ぅーう、ぁー」


誰かいないか確認しようとしたら、変な声が出た。歯がない。

動けない。いや、動けるけど鈍い。


いや、一旦落ち着け?深呼吸だ。すってー、はいてー。よし、落ち着いた。まずは状況の確認だ・・・・おわ!?


「おぉ・・・・・・・な、なんか、変な感じだ。これ、俺の子供なんだよな?」


「ええ、そうよ。赤ちゃんって繊細だから、もっと優しく抱いてあげて?」


は?なんか唐突に持ち上げられた。軽々と。で誰やねんこいつら。オレの両親は日本人だ。断じてこいつらではない。

ていうか、赤ちゃん?

魔法は・・・・使えるな。脈動を発動して一旦この体の重さを相殺だ。辺りを見回して状況の確認を───


下を見て自分の体が目に入って、ようやく状況がわかった。いやわからんが。


──どうやら、転生したっぽい。






          ◇◇◇◇






いや、確かにね?確かに元の世界ではラノベなんかを読みながら異世界行きてーなー。とか思ってたよ?でも、トラックに轢かれて死んだと思ったら異世界に──あれ、なんで死んだのに生身で異世界来てたんだオレ。

あれか?死んで魂は異世界行ったけど不滅の意思のスキルで体が再構築された的な?うん、辻褄は合ってるな。適当に考えたにしては。


で、なんで赤子に生まれ変わってんだい?答えろや!おい!


はぁ、まずはステータスの確認だな。


(オーペンステータス)


・・・・・・・・


(ステータス!開け!おい!コラ!スッテータス!)


・・・・・・・・


ひらかねぇんだが。異世界人限定仕様だったのか?うわー、しんど。オレからすればスマホ並みに親しんだものだったんですが。うわー。

まぁ、しゃーないかなー。便利すぎたもんよ、ステータス。未練は捨てよう。

いやでもなー。くっそ〜。


「はーいシルヴィア、お乳の時間よー」


とりあえず普通に赤子として振る舞ってはいるが、やはり人妻の母乳を飲むというのは慣れない。意図的に考えないようにしてもだ。

あ、そうそう。シルヴィアとは今のオレの名前だが・・・・・・・オレ、女になってた。



はいそこ静かに!確かにリアルでTSするなんて誰も思わないだろう。でも当事者のオレが一番驚いてるから。

すわ、これが女体か!と思って最初は興奮したが(キモイとかいうなよ?)、なんか慣れてきてしまった。一応生まれ変わって一年はたったはずなのでハイハイくらいはできるようになった。。頑張って二足歩行を練習中だ。親がいない時は脈動を使って走ってるけどな。ちなみに温度調節なんかは全部魔法でやっている。風邪とかひきたくない。


そしてこちらも事後報告になるが、土魔法が使えるようになった。土、石、金属など結構いろんなものを操れる。そして若いからなのか魔力の伸びがすごい。

全魔力を消費する勢いで金属を生成するといい感じのが作れる。ちなみにこの世界の金属はこんな感じだ。


神話級 オリハルコン ヒヒイロカネ

伝説級 アダマンタイト

特級 ミスリル

一級 金 銀

二級 鉄

三級 銅 青銅

下級 クズ石



クズ石はそこら辺で簡単に拾えるものだ。金属ではないと思うが、失敗することで生成されるいうのがオレの見解。

まだコツとかを掴めていない感じがするし、生成できるのはまだ鉄までだ。

あと、生成のほかに形を変えたりもできる。2度とやりたくないが、金属を気体にすることも可能だった。

個体→液体→気体の順に温度が上がっていく。液体の時点でヤバイのだから、気体になんかしたらお察しだ。

慌てて部屋を氷漬けにする勢いで温度を下げたので壁が焦げるくらいで済んだが、本当に危なかった。


というか両親が鈍い。不定期で失敗したりしてんのに違和感を持たれてる感じがしない。まさか、この世界ではこれが普通なのか?ハイテク魔法赤ちゃんなのか?


と思っていた。つい先程までは。

光魔法で鏡を作ろうとしていたところ、母親に見られたのだが、すごい驚いていた。


「きゃーあなた!シルヴィアが魔法使ってるわ!しかも光!天才よー!」


とか言っていたので多分悪いことにはならない。5歳から魔法学校に行かせるとか聞こえてきたので、以前言っていた学園編が本当に始まるかもしれない。めでたく全属性使えるようになったし、あとは混合魔法くらいなんだよね。習うことなさそう。

ま、当分先のことだし気にしないでいいでしょ。


尚、この日から魔法の練習は控えることとした。何故ならいちいち天才児だのなんだのといってこのまま行くとなんかヤバそうだからだ。乙女の感だな。

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