大好きな彼女を聖騎士に奪われた俺は、異端でヤンデレなシスターに堕とされた
はなびえ
婚約者が有能聖騎士様に奪われた
この世は
一部の選ばれし者しか幸せになれない。
運と
『おい、ユーリヒ!酒を盗んでこいと言っただろ!』
『あなた風情が私と関わろうだなんて身の程を知りなさい』
『あんたなんて産みたくなかった…..!』
父親からの暴力に耐えかねて13で家を出た俺にとって、神のご加護だけが唯一の居場所だったのだ。
教会帰り、今宵も婚約者であるリーシアの好きなチーズとワイン片手に
料理人としてこの街に住み始めてはや6年。
こんな俺でも神に従えば職、婚約者を得ることができた。
今後も瞬く間に移り行く日々を逃さぬよう、夜風に漂流されていくのだろう。
夜の静寂を邪魔するように何処からか男女の甘い声が聞こえてくる。
「聖騎士様、大好きです。もっと私を愛してぇぇぇえぇ!」
恐る恐る音がする方へと歩みを進めてみると、酒屋のテラス席で街一番の剣豪と称される聖騎士ホレウィン様が俺の婚約者に抱きついていた。
奥手だと思っていたリーシアは妖艶な微笑みを浮かべ、貪るように深い深いキスをしている。
「ねえぇー、もっとチューして?あなたを感じたいの」
「なら、ねだれよ」
「お願いしまします!庶民の私を愛してください!」
2人の劣情はまるで本能で求め合う獣のようだった。
こんなの明らかに教義に反している。
俺は今まで目を瞑ってきた無力感と敗北感に襲われた。
吐き気、嫌悪、殺意、全てを内包した震えをなんとか抑え、目を擦った。
神に仕える聖騎士様が不貞という名の禁忌を犯し、リーシアもそれを受け入れている。
十字軍遠征で異民族から民を救った英雄を受け入れたのだ。
それは単たる元放浪者に過ぎない俺自身の惨めさを体現しているかのようだった。
「誰だ!?」
目の前の劣情に狼狽え、木の枝を踏みつけた俺は聖騎士様に見つかってしまった。
街には誰もいなく、酒屋の客もみんな酔い潰れているので逃げ場はなさそうだ。
「あ、あなた!?これは違うの…」
リーシアは自己保身の為か、俺に縋るようにして見つめてくる。
聖騎士様は、そんなリーシアを左手で強く抱き寄せ、禍々しく月光に反射する剣を抜き、こちらへと向けてきた。
「全て見ていたな?」
「え、ええ。不貞は教義違反のい、異端ですよ」
「そうかもな。だが、ここでお前を殺してしまえば全て帳消しだ。お前のようなただ縋ることしか出来ない弱者の女を奪い、殺した所で、温和な神は許してくれるだろう」
その刹那、剣が夜風を切り裂く音と死の予感が否応なしに迫ってくる。
恐怖で筋肉は硬直し、俺はただ鋭利な刃先が喉元を切り裂くのを待っていた。
「私のユーリヒくんを傷つけるなんて許さない、許さない、許さない、許さない、許さない、許さない」
艶かしさと冷酷さが入り混ざった少女の声が聞こえた直後、大きな破裂音が鳴り聖騎士様は目の前で倒れていたのだった。
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