思い出
レノが初めて人を殺したのは、5歳の誕生日を迎える数日前だった。
もちろんそのときは、それが人の生命を奪うということだ、という認識はない。
ただ言われたまま、その頃レノの世界の大半を占めていたスバルにやれと言われたそのまま、大きな刃物を振り被り、突き立てた。(今考えると非常に殺傷能力の高い凶器であった)
そこに倒れたつい先程まで人間だったモノを見下ろす。
あれ、ナゼ寝ているのだろう?さっきまで立っていたのに。
不思議に感じたけれど、心はスバルに言われたことをやり遂げた、達成感のようなもので満たされていた。
非常に繊細な模様が細工されている刃物の柄と、そこに絡みつく赤黒い液体が、妙にキレイに見えたことだけは覚えている。
「キレイだね」
見上げたスバルの顔は、ほんの少し微笑んでいた。
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