第6話


「気づいていたのか。」


 ラインハルトは観念したように物陰から姿を現した。


「…まあね。」

「それよりもさぁ。」


 エルフの少女はラインハルトを見定めるように視線を送る。


「キミ、よね?」


「なんのことだ?」


 ラインハルトはとぼける。


「ま、いいけど。」

「ボクはアーライナ。キミは?」


「…ラインハルトだ。」


「そっ。よろしくねラインハルト。」

「キミの名前、覚えたから♪」


 エルフの少女はそう言うとニコニコと笑顔で去っていった。


(やれやれ…厄介な奴に目をつけられたか?)


 ラインハルトはそう考えながら、少女の少し後ろの方を見つめる。


(あのレベルの殺気…やはり、あの女は俺と同じ、異能持ちだろう。)

(用心しておこう。)


 ラインハルトはアーライナを警戒対象と見定め、塔の入り口を目指した。




 ◇





 それからラインハルトは木材を持ち帰り、見事合格を果たした。


 セントラル学院の学生は寮生活を義務付けられるため、入学に際しての注意事項などが書かれた資料を受け取り、ラインハルトは寮を目指す。


 寮は一人部屋で、少し手狭だが、門限があるだけで、他は何不自由なく暮らせそうだ。

 これこそが、ラインハルトの求めている自由への第一歩と言えるだろう。


(ここからだ…)

(学院で結果を残し、俺は必ず自由を手に入れて見せる。)


 ラインハルトの自由への切符をかけた戦いが、今幕を開けるのであった。


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