⑧田中
田中はタバコを咥えながら、ワタシの尻に手(意味:触覚器官)を触れた。ベッドの上に横たわったワタシを見下ろしている。田中は今、どのような目的でワタシの尻に触れているのか。今は写像しているため、田中の思想器官を読むことは出来ない。
「りえ、どうだった? オレ、結構うまいだろ?」田中は微笑んで言った。
「うん。鋼さん、よかったよ」ワタシは田中から、りえ、と呼ばれている。
頭でっかち星人の繁殖行為を経験するのはこれで二千四十三度目である。田中との繁殖行為は三度目であるが、田中はそのことを忘れている。思想器官に大きな虚があるためである。記憶を時系列順に保持することができず、保存能力も乏しい。
「オレも、気持ちよかったよ。お前の処女、いただきました(笑)」
田中は多くの頭でっかち星人から見れば、狂っている。
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