第21話 紅白戦

試合終了後。


選手達からは言葉が出ない。

ただ絶望した顔をしている。

山崎監督も悔しい表情を浮かべている。

それは、松長先生も佐久間先生も同じ。


「(クソ クソ クソ あの時、俺が抜かれなければ。)」

伊藤先輩は自分に腹が立つ。


その後、メンバーの選手達は応援席にお辞儀をした。

こうして、神龍高校の今年の春季大会は幕を閉じ4年連続ベスト16。

またも、ベスト8には届かなかった。



「梅田産業高校強かったな。」

幕井はBIG8の強さを改めて感じた。

「でも、俺たちの目標は全国優勝だろ。

それなら、あいつらBIG8には勝たなきゃいけねえな。」

朝日はBIG8だろうとおじけない。

「うん。」



2週間後。

春季大会は終了し、優勝は城壁高校。

準優勝は東大阪工業高校。

ベスト4には聖心高校、梅田産業高校が入った。

インターハイ出場は城壁高校と東大阪工業高校。



「球際強くいけ!」

春季大会の敗戦を糧にした神龍高校は、以前よりも練習の強度が増している。

1年生の練習の方も、春季大会が終了したためデ・ヨングと佐藤が1年生の方に参加し、練習の強度が増している。


ピピー

2・3年生チームの方で笛が鳴る。

伊藤先輩が倒れている。

「イッタ。」

伊藤先輩が足を抱える。

そのまま、今日の練習を後にした。



翌日の部活。

山崎監督が1年生を集める。

「伊藤が、2週間の怪我をした。

そこでだ。

2日後と来週の日曜日には、大阪2部リーグの試合が控えてる。

一試合ごとのメンバー登録は、20人。

2・3年生の現在の人数は17人だ。」

となると、1年生の中から3人のメンバーが入ることができる。

「3人のメンバーのうち、2人はデ・ヨングと佐藤にする。

メンバーの残りの1人は、今から紅白戦で決めてもらう。」

「え?」

幕井は2・3年生を見てみると、試合前のような準備をしていた。


松長先生が1年生達を集める。

松長先生の隣には佐久間先生がいる。

佐藤とデ・ヨングは2・3年生チームに参加する。

「フォーメーションは4-4-2。

スタメンは、ディフェンスライン右から安達、千葉、木村、加藤。

ボランチ朝日と幕井。

左サイドハーフ森田。右サイドハーフ古川。

フォワードは小田と小野寺。

キーパーはどうする佐久間?」

松長先生はキーパーコーチの佐久間先生に聞く。

「八木でいこうかな。」

キーパーのスタメンは八木に決定した。

「先輩だろうと、やること関係ないから自分のプレー出し切って!」

松長先生が声をかける。

『はい!』


2・3年生チームのフォーメーションは4-4-2。

スタメンは春季大会2次予選1回戦と同じメンバー。


紅白戦は30分1本。

審判は佐久間先生。

1年生チームがピンクビブスを着ている。


 ピー

紅白戦が始まる。

1年生チームのボールで試合が始まった。











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