4-6

 2月になって、庄爺の49日もお墓への納骨も済ませて、私達は越したのだ。そして、元の家の炊事場も改修工事が行われた。


 だけど、この冬初めて昨日から降り始めた雪が積もって、その中を採集に出掛けたのだ。貫次等は文句を言うかと思っていたけど、意外と貫次だけは、黙々と作業してくれていたのだ。私は、思わぬところで貫次の良さを感じていた。


 その日は、比較的低い樹だけで、南天とかナナカマドの赤い実と山椿にさかきの葉っぱだけにしていたのだ。もう、彼等も高校受験があるので、来週は貫一兄ちゃんの応援をなんとか頼み込んでいたのだ。


今月からは、チーフの武さんの紹介で、京都の2軒の旅館とも取引が始まるのだ。1枚\20と好条件なのだけど100枚単位で脱気包装というのが条件で、ヒバとそれ以外の2種類、各500枚の依頼なのだ。少々手間がかかるけれど、売上も増えるので、私は彼等には、倍額の1日\2000を支払うことにしていて、喜んでもらえていた。そして、3月からは篠田さんとこの原木椎茸の話も2軒の旅館にも決まっていて、社長さんにも喜んでもらっていたのだ。


 — — — ☆ ☆ ☆ — — —

 私、先生に聞いてもらいたくて、放課後に野球グラウンドに呼び出していた。誰かに見られても、野球部の練習を見ている振りが出来るからだ。


「あのね 東京の会社で料亭とかホテルに食材を降ろしているって言ってたの・・・私がやっているものを取り扱いたいから、写真と見積を欲しいってー。いきなりよー どこかから私のこと聞いたのかしら・・・。だけど、言い方が・・・扱ってやるって聞こえたので・・・私、余裕ありませんので、申し訳ございませんって丁寧にお断りしたのよ!。1枚\30でも良いような話だったけど、現物見本も送れとか、カタログに載せるとなると協賛金10万円要るとか言うんだものー 付き合ってられへんやんかー ね!? アカンかったかなー?」


「そんなことないと思うよ すぐりが気に入らなかったら・・・無理しないほうが良いよ 正解だと思う それに、今は、すぐりの本職は学生なんだからー」


「そう? 良かったぁー 安心 それとね、個人的な通販を手掛けようかなって思ってるん」


「通販かぁ・・・すぐり そんな余裕あるんか? 忙しいだろう? 勉強もあるしー」


「うん でも・・・売上もっと伸ばしたいし・・・貫次がね 高校はクラブに入らないから、土日と手伝えるよって言ってくれているしー 1日は通販の日ってことで・・・」


「でもなー そーなると ホームページも作らんといかんしなー 出来るのか? 僕は無理 あてにするなよ!」


「・・・う~ん 難しい・・・」


「あのな ナカミチもホームページあってな 最初、清音叔母さんが知り合いに聞いて作ったんだけど、今は 広告会社に頼んでいるみたい この辺りでも長浜とか今津にもあるんだろうけど・・・依頼料と売り上げが釣りあい取れるどうか・・・まぁ 清音叔母さんに聞いてみるよ」


「うん お願い 私の王子様なんだから、そこは頼るよ!」


 — — — ☆ ☆ ☆ — — —

 春休みになって、あの3人も中学を卒業して、近くの同じ公立高校に進むことが決まっていた。そして、貫次は献身的に私のことを手伝ってくれていて、春になって山もだんだんと青々しくなってきていた。「愛の山」も順調なのだ。


 私は、3学期の成績も先生と約束したとおりにクラスのトップで、数学もちゃんと100点をとっていた。だけど、先生はとりあえずは褒めてくれたのだけど、私は・・・もっと、違う形で・・・と、思っていたのだけどなぁー。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る